Archive for 4月, 2016

apple pencil ホルダーはmagic tapeで

月曜日, 4月 18th, 2016
今まで,色々と手書きに対応したデジタルツールを試してきました。
15年近く前のザウルスからはじまって,最近ではシャープやソニーの電子ノートの類等。

ここにきて,ipadに専用のapple pencilが登場し,しかも9.7インチのipadでも使えるバージョンが発売されて,ほとんど妥協のない手書きツールが手に入りました。現在のところ,GoodNotesというアプリケーションで利用していますが,PDFへの書き込みもできるし,紙に手書きするより便利な機能もあるし,かなり満足しています。
ただし,一番の問題は,このapple pencilはipadにつけることができないということです。同じ悩みをかかえる人がいるようで,強引に下側につける器具も売っている(そして買ってみた)のですが,いまひとつです。
そこで,マジックテープの登場です。

applepencil magic tape

柔らかいほうをpencilに巻き付ける。
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チクチクするほうを本体に貼る。作業時間は10秒くらい?

 
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くっつけたところ

 
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美観的には,もう少し角のあたりをまるめたり,又は白いマジックテープを利用するなり,工夫の余地がありそうです。人によっては,いくら工夫しても許容範囲を超えている(特に,apple製品について深い愛情に基づいて人にみせてやりたい場合)ことはあるかもしれません。
でも,実用性は完璧に近いです。ほとんど,無意識に着脱できるし,カバンに無造作にいれておいても,はずれることはほとんどありません。

こういうのを利用するだけなので,同じお悩みをお持ちの方はどうぞ

 
 
 

富士山登山

日曜日, 4月 10th, 2016
高校2年生が富士山に登ろうとしたが救助要請とのことです。

思わず自分と重なって色々思い出しました。

実は,私も高校3年の9月に積雪した富士山に単独で登ってきたからです。

高校3年でいわゆる受験だったのですが,それまでまともに勉強習慣もなかった中,完全に毎日勉強するとへばるだろうと考えて,8日に1回の完全休養日(まったく勉強しない日)を作っていました。
で,8日に1回なので毎週休みになる曜日がずれていって,たまに日曜日が完全休養日になります。

このときの9月に日曜日が完全休養日になりました。
で,何をしようかと考えていたのですが,その年の正月に年賀状配達のバイトをして手に入れたマニュアルギア付の50ccバイクでどこかにいこうということまでは決まりました。

その中で,そういえば富士山にいってないなあ,富士山にでも行ってみようか。
いずれにしろメインはバイクツーリングですから,5合目まで行ければ,目的達成です。
あわよくば山頂という考えもありましたが,それはあくまで「あわよくば」で,もし5合目に来てどうしても登りたくなったときに必要な装備(雨具や防寒具,水筒,非常食等)は念のため持って行くことにしました。

で,当日,富士山に向かって,246をひた走る(原付なので高速は走れない)と,真っ白の富士山が現れます。えっもう雪が積もっている。前日までに把握した状況だと雪はないはずでしたが,どうやら初冠雪だったようです。その姿をみて,5合目であきらめようと腹を決めました。靴は運動靴でしたので,さすがに雪山は無理です。

さらにバイクで5合目に近づくとバイクの調子も悪くなります。あとで分かりましたが,酸欠だったようです。それでも,だましだまし,何とか5合目にたどり着きます。

みると雪があるといっても,数センチつもっているくらいで,道には雪はほとんどなさそうです。いけるところまでいくか。今日は天気はよいし,もし途中で道にもたっぷり雪がついていてこれ以上登れなければひきかえせばよい。はじめからあきらめたら,意気地のなさに後悔するに違いない。ということで,5合目から上を目指して歩き始めます。

で,多少のエイヤもありましたが,たしか2時間もかからずに山頂に到達しました。自分の冒険心に満足しながら,山頂剣が峰の富士山測候所に近づきます。ところが,測候所の上だか何かで外人が上半身裸で日光浴して寝っ転がっています。これにはさすがに驚きました。寒さに対する感覚が違うのか,この衝撃は未だに忘れられません。

そんなわけで,無事,家に戻ってきました。

なお,そんな私の感覚でも「さすがに4月は無理だろう」と思います。大学生の頃に5月にスキーをかついで富士山に登って滑り降りたことがありましたが,その頃は下からみるとほとんど雪がないようにみえますが,それでもかなり雪が残っています。

なにより私は高校では山岳部でしたので,高校生の中では登山経験が豊富でした。少なくとも本当に無謀な試みではなかったはずです。もっとも,翌日あたりに,山岳部の顧問から「勝俣,昨日,富士山にいなかったか」と突然言われて,「いるわけないじゃないですか」とごまかしました。当時,部として無届けの登山や単独登山は禁止ということになってましたので。しかし,なぜ,顧問も富士山にいたのか,偶然とはおそろしいものです。

今回が,どういった事情なのか知りませんが,富士山に無謀な挑戦をしてニュースになるのは外人ばかりだったので,少し「おっ」と思った次第です。でも,やはり4月は無謀だな。

「B型肝炎ウイルスキャリアですが,通院はしていません。でも,健康診断を受けているので(症状は無いので)大丈夫です」という方に言いたいこと。(後編)

金曜日, 4月 8th, 2016
前回の続きです。

健康診断を受けているから・症状が無いから,という方へ

前回書いたように,HBe抗原陰性の非活動性キャリア(すなわち症状が無い方)に,突然肝がんが発生するという事もあります。

確かに,症状が無い方と,慢性肝炎の方と,肝硬変の方を比べたら,肝硬変の方が最も肝がんの発生リスクは高いです。

しかし,実際には,肝硬変症に至る前に肝がんを発生する例は少なからずあり,特にB型肝炎ウイルスの場合には,正常に近い肝臓から肝がんが発生する場合もあり注意が必要とされています(参考文献2)。

実際に,私のお客様でも,肝硬変と診断されたことがない肝がんの患者さんが多くいらっしゃいます。
健康診断では,そのような肝がんが早期に発見されるとは,限らないのではないでしょうか。

また,症状がないから,という言葉には,とても心配にさせられます。
有名な言葉ですが,肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ,少々不具合が有っても症状が現れません。
症状があったら…たぶんそれは,慢性肝炎や軽度の肝硬変や,初期の肝がんでは無いような予感がしませんでしょうか。

専門医に通うと何をしてもらえるのか

血液検査(健康診断とは内容が一部異なります)に加え,肝がんの早期発見のため,腹部超音波検査を主体として,腫瘍マーカー測定や,場合によってはCT,MRI検査も行われることになると思われます(参考文献3)。
その結果として治療は不要だと判断されれば,特には薬が出ることも無いかと思います。

慢性肝炎の治療が必要と判断されると,多くは核酸アナログ製剤(特にエンテカビル)が投与されることになるかと思いますが,場合によりペグインターフェロンが用いられたリ,またそれらが併用されることもあります(参考文献2,4)。

なお治療が必要な場合には,治療費の助成についての案内が有ると思いますので,必ず申請をするようにして下さい。

いずれにしても,専門医が行う検査は,目的も,検査内容も,健康診断と違いそうなことをわかって頂けるとよいなと思います。

最後に

あまり怖いことを言うのも嫌ですし,実際多くの方は,何の症状が出ることも無く健康に過ごされています。
しかし,毎回毎回ちょっとうるさく言う事で,一人でも多くの方の肝がんを防げれば,言った甲斐があったなと思うのです。

ですので,私たちは症状が無い方の相談ももちろん受けます。でも,特に私に相談される方は,ちゃんと専門医療機関へ通院するようにして下さい。相談の際も,私は絶対これを言いますので。

もちろん私は,治療中の方からも,いろいろ治療のお話しを聞かせて頂くのが好きなので,お気軽にご相談いただきたいと思います。宜しくお願いします。



参考文献
1)沖田極・幕内雅敏編.2009.「インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肝がん」医薬ジャーナル社.
2)熊田博光編.2012.「インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肝炎ウイルス―B型・C型」医薬ジャーナル社.
3)日本肝臓学会編.2013.「肝癌診療ガイドライン 2013年版」<http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/examination_jp>(2016/4/5アクセス)
4)日本肝臓学会編.2015.「B型肝炎治療ガイドライン(第2.1版)」
<http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b>(2016/4/5アクセス)

「B型肝炎ウイルスキャリアですが,通院はしていません。でも,健康診断を受けているので(症状は無いので)大丈夫です」という方に言いたいこと。(前編)

水曜日, 4月 6th, 2016
B型肝炎訴訟については,どの弁護士よりも掘り下げて考えたい柏木です。
表題のセリフは,症状のない方(無症候キャリアの方)と相談をすると,かなり高い確率で言われるものです。

弁護士の多くは,特に何も言わないかもしれませんし,中には症状が無いと報酬も低いので,依頼を断る人もいるなどと聞きますが,私が言いたい事はちょっと違います。
表題のセリフは,間違っていると思います。 
「肝疾患の専門医療機関に通院して,お医者様の指示に従って下さい。 (そしてそれから,給付金のことが気になったら私に聞いてください)」 
これが私が言いたいことなのですが,せっかくなので,もう少し説明をします。 
なお専門医療機関については,こちら等で,各都道府県毎の「肝疾患専門医療機関」をお調べ下さい。
肝炎情報センター
http://www.kanen.ncgm.go.jp/index.html
 
何のために通院するのか 
究極的には,肝がん(肝細胞がん)になるのを防ぐ,又は早期に発見することが目的だと思われます。
というのも,肝がんは大抵その発生原因が明らかであると言われており,その90%はC型肝炎ウイルスかB型肝炎ウイルスの持続感染が原因であると言われています(参考文献1)。

また,B型肝硬変からは年率1.2~8.1%で,慢性肝炎からは0.5~0.8%で,HBe抗原陰性の非活動性キャリアからは0.1~0.4%で肝がんが発生すると言われています(参考文献2)。

これをどうみるかは人それぞれかもしれませんが,間違いないのは,B型肝炎ウイルスキャリアの方は,それだけで肝がんになるリスクが高い集団に属しているという事なのです。 
(後編に続きます)

 
参考文献
1)沖田極・幕内雅敏編.2009.「インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肝がん」医薬ジャーナル社.
2)熊田博光編.2012.「インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肝炎ウイルス―B型・C型」医薬ジャーナル社.
3)日本肝臓学会編.2013.「肝癌診療ガイドライン 2013年版」<http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/examination_jp>(2016/4/5アクセス)
4)日本肝臓学会編.2015.「B型肝炎治療ガイドライン(第2.1版)」
<http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b>(2016/4/5アクセス)