”慎重かつ大胆”
この言葉は、昔、雪山登山の訓練を受けていたときに
”雪山の歩き方のコツ”として教えられました。
滑りやすく、かつ滑落すれば命に関わる雪山を歩くには
当然慎重でなければなりません。
しかし慎重になるあまり
臆病になって腰がひけると
かえって足元が危うくなり、滑落しやすくなります。
雪山を最大限安全に歩くには
細心の慎重さを持ちながらも
大胆に思い切って歩いていく度胸が必要ということです。
この話を聞いたときは
「そうは言っても急斜面や凍りついた斜面を大胆に歩くのは恐ろしい。
言うは易しだな」
などと思った程度でした。
しかし今では
”慎重かつ大胆”という言葉は
とても応用のきく気の利いた言葉だという気がしています。
山菜採りで
採ってきた山菜やキノコを食べる時にしても
調べられる限りは慎重に調べつくして
最後はエイヤ!と大胆に食べます。
仕事上でも
事案を丹念に分析し、法律上の争点を徹底的に調査し
事態が悪く運んだ場合のはどのように対処すればよいか、慎重に検討します。
そして最後には、自分の分析、調査、検討をもとに決断をくだし
大胆に事案の解決をめざします。
私の経験上、仕事にしろ日常生活にしろ、
最後はエイヤ!と腹をくくって大胆に進めることで
事がうまく運んでいるような気がします。