なぜ今年のスワローズは弱いのか
今年は3連覇の期待がかかっていたはずですが、低迷しています。
で、頭の中は色々と原因を探しだして感情をも刺激します。
- 昨年まで成功の一因とされていたゆとりローテーションを今年はなぜやらないのだろうか
- 村上があれだけ不振であればしょうがない
- 塩見や山田の故障がおおきい
- マクガフの穴がおおきい
- 中村や長岡が打たなすぎる
- 昨年まで元気だった中継ぎ陣はどうなってしまったのか
まあ、いくでも出てきます。
でも、見方を変えると、
なぜ3年前最下位でたいした補強もしなかったのに2連覇したのだろうか?今年は3年前に戻っただけなのではないか?むしろ、不思議なのは強かった2年間なのではないか?
という気もします。
結局のところ人間の頭は原因と結果という因果関係という枠組みで物事を考えたがるのですが、現実はそのような枠組みで把握できないことが多いです。
「何が原因だ」「何が原因だ」「考えろ、考えろ」と頭は動いていて色々と原因を紡ぎ出します。が、冷めた見方をすれば「無数の原因が複雑に絡み合って出来事が発生している」としか言いようがありません。なので、「特定の原因を見つけ出して対処さえすれば事態は好転する」なんてことはないのです。
もちろん物事の中には、原因を見つけ出して対処することによって改善することも多くあります(「ネジが緩んでいたので締める」とか)。ただ、この手法が有効な分野と有効でない分野をうまく区別することも困難です。
歴史的・社会的出来事の大半は因果関係分析は有効でないです。「日本はなぜ、太平洋戦争に踏み込んだのか」「日本はなぜ、非白人国家のなかで先進国になれたのか」なんてことも、1つか2つの原因(前者であれば、軍部の暴走、財閥の陰謀、アメリカの陰謀、国民の熱狂等)を見つけ出してそれに基づいて説明したがりますが、実際は「無数の原因が複雑に絡み合って出来事が発生した」としかいいようがありません。
おそらく医学的・健康的出来事の大半もそうだと言えます。単純に原因となるバイキンを殺す薬をバイキンがいそうなところに対処してうまくいくことはあまりないです。この分野で、うまくいくのは「ネジが緩んでいたのを締める」レベルに落とし込める場合だけなのでは、という気さえします。
難しいのは、因果関係で考えるのは無意味だし、他に対処の方法もないから放置すればよいと、言い切れないところです。スワローズが今年弱いのは「無数の原因が複雑に絡み合って出来事が発生した」ので、色々考えることは無意味だ、という方針でいくのと、気難しい人からすれば無意味とはいえ、色々と原因を分析して対処するということを繰り返すという方針で行くのととでは、後者のほうが成果がでそうな気がします。
何にしろ、たいした出来事もないのに、極端に強くなったり弱くなったりするスワローズはなかなか、頭も刺激してくれます。