民法882条 相続開始の原因

8月 18th, 2010
相続に関する法律は民法に記載されています。


相続についての法律の一番はじめは

882条 相続は、死亡によって開始する

という条文です。


当たり前と言えば当たり前ですが

民法には、こういう当たり前のことが実にたくさん書いてあります。


法律相談をしていると

「兄貴夫婦が親父に取り入って
人のいい親父は、兄貴夫婦の言いなりどんどん財産を使ってしまっている。
これでは、自分に対する相続財産が減ってしまうので
何とかできないか?」
というような相談は意外に多いです。


相続は、死亡によって開始する”と法律にありますので

相続権が発生するのは、あくまで死亡後のこと。

存命中に相続権を保護するために何かすることはできません。

お父さんが自分の財産をどう処分しようと勝手”というのが原則です。


このような事例では、相続開始後に

「特別受益」「遺留分侵害」の問題として考えていくことになります。


また、お父さんの判断能力が既に著しく減退しているような場合であれば

「法定後見制度(成年後見、保佐、補助)」を利用して

お父さんの財産を守ること

(あくまで、お父さんの財産を守るのであって

相続権を守るためのものではありません)

ができます。


相続問題については、当事務所のホームページの

こちらをご参照下さい。

法定後見制度については、当事務所のホームページの

こちらをご参照下さい。

ダーウィンが来た。争いごとは続く?

8月 12th, 2010
日曜夜7時半からのNHKテレビ番組「ダーウィンが来た!」
は、子供が好きなので、よく見ています。

それにしても、動物も争いごとは好きですね。

なわばりや食料やメスを巡って、同じ動物の中で

色々と喧嘩して闘います。

それなりに勝敗を巡る仕組みがあるのか、

適当なところで勝ち負けが決まり、負けた方は退散します。

人間にとっての謝罪も、そういう仕組みなのかな

と思うことがあります。


道徳的・法律的な善悪はともかく、謝罪があることで
相手の怒りが収まり、動物的な戦闘モードが終了する
のかも知れません。


弁護士としては、医者が「世の中を健康にしたい!」

と思うように、「争いごとをなくしたい!」という

気持ちがあります。


でも、ダーウィンで見る動物たちの争いごとをやめさせる

というのは、どうみても愚かです。

争いごとも人間社会の仕組みのひとつとして、

上手に付き合っていく以外にないのかも知れません。

R25 8月号「連帯保証人」制度のギモン

8月 10th, 2010
フリーペーパーのR25に

日本のは世界一リスクが高い?『連帯保証人』制度のギモン
との表題で記事がありました。


概略は

政府が連帯保証人制度をみなおし、

連帯保証人に対して

契約内容や債務者の資金繰り情報についての

説明義務をもうけるといった内容。


実際のところ、債務整理をしていて、最もやっかいなのは連帯保証です。

もちろん、連帯保証人になってしまった人もかわいそうですが

「連帯保証人に迷惑がかかるから、自己破産はできない」
と言って無理を重ねる方も多くいます。


実際、連帯保証人をつけてまで融資を受けてしまうことは

自己破産というとても便利な逃げ道をふさぐことになりかねません。


通常の消費者金融は連帯保証人をとることは少ないです。

株式会社エイワくらいではないでしょうか?


でも、他の消費者金融も

家族の名前を契約書に書かせて

連帯保証しているかのように誤信させて

債務整理を躊躇させているフシはあります。

(連帯保証人が印を押さない限り、

勝手に名前を書いただけで、

連帯保証人にされてしまうことはないです。)


連帯保証人をとる典型は

いわゆる商工ローン(SFCG(旧商工ファンド)や

ロプロ(旧日栄)等)と信用保証協会です。

商工ローンはともかく

債務者救済を、

公的な金融機関である信用保証協会がジャマをしていることが多い現状に

強いギモンを感じます。


しかし今や商工ローンの多くは倒産し、

信用保証協会もようやく連帯保証人を要求することをやめたようです。

そういう意味では多少自体は改善しているかも知れません。


それ以外に、気の毒だと思うのは

連帯保証人が死亡した場合の相続人です。

連帯保証も相続の対象となるのです。

「父親が連帯保証人になっていたことを
父親の死後はじめて知った。
気づいたら巨額の債務の連帯保証人になっていてしまった」
という相談も少なくありません。


話は少しそれますが

連帯保証”と”保証”はえらく違うんだ!

と法律の教科書に書いてあることを思い出しました。


でも実際上、連帯保証でないただの保証はマレです。

しかも、ただの保証人にはあるが連帯保証人にはない

催告の抗弁権(まず主債務者に請求せよと言える)



検索の抗弁権(主債務者に財産があるぞと言える)

なんて

それほど役に立つとは思えないので

連帯保証”かただの”保証”かはそれほどこだわる必要はありません。

ただし、保証人が複数いる場合は

ただの保証だと頭割りにできるという大きなメリットがあります。



連帯保証保証でお困りの方は

一度ご相談にいらしてみてください。

NIKKEIプラス1「無料相談会 活用」

8月 8th, 2010
NIKKEIプラス1(日本経済新聞の土曜版生活情報週間紙)に

「お金の悩み、無料相談会 活用」
「解決手順を専門家が助言」
との記事がありました。


高齢者の財産管理や借金整理、相続・遺言、雇用・仕事等についての

無料相談会の一覧が記載されていました。


このような相談会は時間制限があり

相談の途中でも時間がくれば

話を切り上げられてしまうこともありますので

相談したいことをしっかりまとめてから

相談に行くのが良いと思います。


当事務所でも、案件により無料相談を行っています。

借金整理相談については
初回30分無料です。また電話での無料相談もしています。

また遺言書作成相談についても
初回30分無料です。

「自分で書いた遺言書の文面が不安」
「そもそもどうやって遺言書を書けばいいのか分からない」
などの場合には

ご相談にお越しいただければアドバイスをいたします。


”30分無料”と聞くと

いつの間にか制限時間を過ぎてしまって

延長料金がかかるような印象をお持ちの方もいるかも知れません。

しかし当事務所では、相談を始める前に必ず

「無料の範囲内(30分以内)での相談をご希望か」
を確認しますので

いつの間にか時間を過ぎてお金がかかってしまった!

ということはありません。

安心してご相談下さい。


話が前後しましたが

冒頭でご紹介した無料相談会について、私見を書きたいと思います。


相談内容によっては複数の相談先が紹介されていました。

どんな相談を、どこに相談するのが適切なのでしょうか?


雇用・仕事については

弁護士司法書士社会保険労務士の3つの相談先があります。

トラブル含み(残業代を払わない、不当な解雇だ 等)の場合は

弁護士がよいと思います。

細かな社会保険関係の話であれば、社会保険労務士

弁護士費用を聞いて

「それでは割にあわない」と思ったら

比較的費用が割安な司法書士に相談してみても良いかもしれません。


借金については、弁護士司法書士の2つがありますが

これについては弁護士に相談するのが一番良いのではないかと思います。

費用面では、弁護士でも司法書士でも大差はないようなので

どちらに依頼してもいいような気もしますが

借金整理での弁護士司法書士の一番の差は

司法書士の場合、

基本的に自分で裁判手続をしなければなりませんが

弁護士の場合は

裁判手続含めすべてを弁護士に任せられるという点です。


司法書士は、

破産・個人再生や多額の過払い回収の場合

後ろでアドバイスする立場に引かざるを得ませんが

弁護士にはそのような制限がないからです。


成年後見等、高齢者の財産管理の相談先には

司法書士行政書士があります。


どちらかといえば司法書士のほうがよいでしょう。

ただ、これも本当は弁護士に相談するのが良い分野です。

弁護士によっては、成年後見等の取扱いをしていない弁護士もいますので

ホームページなどで取扱分野を確認したほうが良いと思います。


相続・遺言については、公証人司法書士です。

相続問題は、揉め事がなく、不動産がある場合は司法書士に相談。

揉め事がなく、財産が多額な場合は税理士に相談。

揉めている場合は弁護士に相談というのが基本です。


遺言書作成は

公正証書遺言をつくるのであれば、公証人に相談。

自筆証書遺言か公正証書遺言か等

入り口の段階から相談したい場合で

揉め事がなさそうなら司法書士

将来、揉め事が起こりそうだ、

その前に出来る限り事前に手を打った遺言をつくりたい、

といった場合は弁護士が適任です。




何かお困りごとができたとき、お役に立てば幸いです。

「ガイアの夜明け」遺言書作成のすすめ

7月 29th, 2010
先日、テレビ東京「ガイアの夜明け」

遺言書作成に関する話題を取り上げていました。

「骨肉の争いを避ける術~いま知っておきたい”相続”」


近年、相続争いは増加傾向にあり

家庭裁判所の相続案件の取扱件数は

2009年で16万件、10年前の2倍だそうです。

(司法統計年報調べ)


”相続争い”と聞くと

”お金持ちの家で起こること”と思われがちですが

実際にはそうとも言えず

遺産総額1000万円未満の相続争いが多く

最も多いのは200万円から300万円程度のものだそうです。


そんななか、最近では、自分で遺言書を簡単に作れる

遺言書作成キット
なども話題になっているようです。


遺言書は自分で書くこともできますが

日常ではあまり使われない法律用語を使って作成するなど、

法的なルールを守らないと無効になってしまいます。


せっかく遺言書を作成しても

無効になってしまっては意味がありません。

遺言書は、

無用なトラブルを防ぐためにも

専門家のアドバイスを参考に

公的に認められる正確なものを作成することをおすすめします。


当事務所では遺言書作成無料相談を行っております。

また、事務所で出向くことができない方のために

弁護士が直接病院やご自宅へうかがってご相談に回答する

遺言書作成出張相談も行っております。

遺言書作成をお考えの方は、ぜひご利用ください。

”滑ったら4WD”

7月 26th, 2010
車には、滑りやすいときでも安定して走るために

「4WD(4輪駆動)」のものがあります。


でも、常に4輪を駆動するには、構造上、難しい点があります。

車が曲がっているときは、4輪すべての回転数が異なるので

4輪が異なる回転数になることを許容する必要があります。


そのため「デフギア」というギアを入れます。

”4輪それぞれの回転数が異なる”ことができるということは

”1輪だけ回転して、残りの3輪はすべて回転しない”ことも可能になるということです。

すると、回転している1輪が

宙に浮いたり、氷に乗ったりして空転したときに

ほかの3輪が止まってしまうという現状も起こりうるわけです。

これでは4WDの意味がありません。


このような現象を防ぐため、例えば4WDの老舗「クワトロ(アウディ)」の場合は

より抵抗の強い方により強い力を加える

特殊なデフギア「トルセンデフ」を入れます。

そうすると、抵抗の弱い空転する車輪には力を加えず

路面をグリップしている車輪に力を加えてくれます。


ところが、このトルセンデフはでかくて重い!

トルセンデフがでかくて場所をとるから

エンジンをすごく前に置かざるをえなくなり

その結果、ピッチング(車の上下動)が大きくなるので

それを防ぐためにサスペンション(路面からの衝撃を緩和する装置)

を固くしたために乗り心地が悪くなって・・・。


さらには車の重量をなんとか軽くするために

車体に高価なアルミボディを使ってみたものの

今度は独特の乗り味で問題があったり・・・。

と、4WDのために、アウディはあれやこれやと手を尽くし

苦労を重ねているわけです。


そこで、たいていの4WD車は

普段は前輪駆動か後輪駆動で走っていて

その駆動するタイヤが滑ったときだけ、4輪駆動になるという方式をとっています。


この方式だと、上記のクワトロより

4WDの性能自体はやや劣りますが

”滑りやすい路面のための4WD”としての役割は果たしてくれます。


また、常に4輪を動かすと

それだけ余分なものを動かすロスが生じます。

そのため燃費も落ちるし、エンジンパワーもロスが出ます。

そういう意味では、”滑ったら4WD”という方式は、実に合理的です。


実は、アウディも小型の車には、この方式を使っています。

(なお、実際は、滑る前から多少4輪を動かしていたり、

複雑な電子制御を使っていたりと、色々バリエーションがあります。)


さて、弁護士が事件を受任する場合

複数の弁護士が1つの事件を担当することがあります。

もし、2名の弁護士双方がフルに事件に関与するとなると

弁護士の事件に対する延べ活動時間は
1名で担当する場合にかかる時間×2名分

+弁護士同士の事件の打合せ時間
となります。

もし費用が弁護士の活動時間に応じてかかるとすると

1名で担当する場合の2倍以上の費用がかかることになります。


しかし、弁護士2名が関与したからといって成果が倍になるわけではないので

それに応じて2倍の弁護士費用をお願いすることはできません。


そこで通常は、”滑ったら4WD”の方式を採用しています。

1名の主任弁護士を決めたうえで

適宜、別の弁護士と問題点を協議し

1名で担当する場合より多角的に検討し、よりよい成果を目指します。


通常時は担当弁護士1名で事案を処理(通常の駆動での走行)し

難しい問題に対面したら、複数の弁護士で力を合わせる

(4輪駆動に切り替える)というわけです。


こうすれば、1つの事件を複数の弁護士で担当しても

延べ活動時間が大幅に増えることはありませんので

弁護士1名で担当する場合とかわらない料金設定にすることが可能になります。


このような方式がとれることが

複数の弁護士が所属している法律事務所の強みといえるのではないでしょうか。

前半戦終了(プロ野球)

7月 23rd, 2010
プロ野球の前半戦が終了しました。

東京ヤクルトスワローズは、高田監督辞任

小川監督代行のもと持ち直して4位に浮上し

僅かに望みをつなぎました。

浮上の理由は色々ありますが

外野手 飯原誉士選手をクリーンナップに固定したことが大きいと思います。

飯原選手は、俊足、強肩で長打力もあり

一流選手になる素質十分でありながら

ポカが多くて、なかなかレギュラーに定着できなかった選手です。

レギュラーをつかみかける

打撃不振になる

我慢して使ってもらう

ポカをする

レギュラーを外される
ということを繰り返してきた選手です。

しかし、さすがは2軍監督歴が長く

選手のよいところを伸ばすのにたけた小川監督代行

飯原選手がポカをしても

基本的にはクリーンナップで使い続け

ヤクルトの一番の弱点、攻撃面での決定力不足を解消しました。

プロ野球の(特に弱い球団を応援する)ファンは

その場の勝ち負けだけでなく

選手が育っていくのを楽しみにしています。

そういう面では

素質ある選手を我慢して使う小川監督代行の野球は

見ていて楽しめます。

(彼らが育てば、

ヤクルトもいずれは強くなるはず!)

『離婚法律ガイド~横浜の弁護士~』

7月 21st, 2010
現在はインターネットがあるので、調べ物をするにはとても便利です。

私もちょくちょく利用しています。

離婚情報サイトも、ちょっと検索すれば数え切れないくらい出てきます。

ところが、その内容をよく見てみると

驚かされることがしばしばあります。

特に弁護士以外の方が作った離婚情報サイトの内容は

誤った解釈であったり

事実と違うことが書いてあることも多く

このサイトを見た人がその内容を鵜呑みにしてしまうと

判断を誤る危険もあるのではと心配になってしまいます。

一方弁護士が作成している離婚情報のサイトはというと

さすがに事実と異なるようなことは書いてはありませんが

一般の人にとっては難しくて分かりにくいことが多いように思います。

色々なサイトを見ているうちに

弁護士が、分かりやすく、かつ内容の充実したサイトを作るのが

一番だという結論に至りました。

そのようなわけで、当事務所も離婚情報サイトを作成しました。

離婚法律ガイド~横浜の弁護士~
当事務所がサイトを運営するからには

”一流の法的サービスを提供する”
という目的に恥じない内容になっていると自負しております。

また、当サイトの特徴としては

離婚に関する基礎知識を網羅しているだけでなく

離婚を取り扱う弁護士の生の声をふんだんに掲載している点です。

このサイトを見れば

離婚に関する現在の傾向や、弁護士の見解など

一般の方にはなかなか手に入りずらい情報も得ることができます。

今後も、順次、内容を充実したものにしていく予定です。

離婚問題でお悩みの方は、是非一度ご覧ください。

アンズタケ

7月 19th, 2010
昨日に続いてキノコ探しです。

朝から、妻が「灯台下暗しだわ!」と言って驚いています。

話を聞いてみると、

宿泊場所のすぐそばに巨大なハナビラタケが生えているではないですか!



気づかなかったのか?それとも一晩で生えてきたのか?


周辺をよく探してみると、キツネノロウソクといった

変わったキノコも生えています。




さらに、黄色いキノコを取って、何のキノコか調べてみました。

なかなか分かりませんがアンズタケに似ています。



匂いを嗅いでみると、確かに甘い香りがします。

ただ、アンズタケは、裏のヒダとヒダをつなぐ連絡脈が特徴ですが

見つけたキノコにはそれがハッキリとは見えません。

さらに、アンズタケに似たものを見つけましたが

これは、枯れ枝から生えています。

匂いは先ほどのよりさらに甘い香りがします。

でもネット上の情報だと、アンズタケは”共生菌”とされています。

とすると、枯れ枝から生えるのは変?

うーん。さんざん、悩んだ末に今回は食べないことにしました。


なお、家の大きな図鑑だと

アンズタケは毒キノコに分類されていますが

小さい本には食べられると書いてあります。

ヨーロッパでは好まれるキノコのようです。


大量のハナビラタケは、義兄家族とともに、美味しくいただきました。

シロヌメリイグチ

7月 18th, 2010
昨秋にキノコ狩り教室に参加してから

今年は自分でキノコを探すぞ!と秋を楽しみにしておりました。


ところが、春先からちょこちょこキノコが採れています。

思いの外早く、キノコシーズが始まっているようです。


散策中に、またキノコを見つけました。

雨上がりのせいか沢山見つけることができました。


妻が白い普通の形をしたキノコを見つけました。

ただ、特徴があまりないので

キノコの名前を同定するのは難しいだろうと思いそのままにしかけたとき

下の娘の足が、そのキノコにあたり、キノコの傘が折れました。

不意に目に飛び込んだ傘の裏は網目模様!



傘の裏が網目模様のキノコで、毒があるものはごくわずかです。

よろこんで持ち帰ることにしました。

このキノコ以外にも

食べられないキノコだったり、毒キノコだったりですが

ウスタケテングタケの仲間と思われるもの、

チャダイゴケ等、実に様々なキノコを見つけることができました。








さて、裏が網目模様の件のキノコ。

おそらく、シロヌメリイグチらしいのですが、確信が持てません。

でも、裏が網目模様で毒があるとされる

ドクヤマドリアシベニイグチとは

明らかに違うので食べてみることにします。

だし汁に入れて食べましたが、なかなか美味しかったです。