武富士元代表者の責任を認める判決4

7月 26th, 2012
今回は、この判決の法律解釈上の特徴について書きます。

法律解釈上の問題としては、
過払い金の請求は原則として不法行為にならないとした
平成21年の最高裁判所の判断の解釈が問題です。

同判決によると、過払い金の請求は原則不法行為にならず
不法行為になるのは
暴行・脅迫があった場合や
債権がないことを分かっていて請求したり、
容易に債権がないことが分かるのに請求した場合等
ひどい場合
に限るという判断でした。

法曹界の大半は、これで、過払い金の請求は
不法行為にならないということで決着した
と受け取ったようです。

そのことは、本件の提訴後、
類似の訴訟がほとんど提起されず、
また、本件等の裁判中での裁判官との話の中で
思い知りました。

でも、当事務所は、上記平成21年の最高裁判所の判断は
そのようには解釈せず、
平成18年1月のグレーゾーンを否定した最高裁判所の
判断後は、むしろ不法行為を構成する旨を判断した
ものと理解しました。

なぜなら、平成21年判決は、
平成18年1月の最高裁判所の判断が出る以前は、
グレーゾーンについて色々判断が分かれていたから、
容易に債権がないことを知ることができない
と判示しているからです。
裏をかえせば、平成18年1月以降は・・・
ということでした。

でも、その解釈はマイナーだったようで、
提訴後に、当事務所の解釈に反する
下級審の判断がたくさんあることを
相手方から示されました。

しかし、ついに平成21年の判決を正確に
解釈した裁判例が出たということが、
今回の判決の法律上の意義ということになります。

武富士元代表者の責任を認める判決3

7月 22nd, 2012
この件については、
個人分野で一流の法的サービスを提供する
当事務所のスタンスという面でも、象徴的でした。

意義がある判決自体は世に無数にあるのですが、
通常、そのような判決になるような問題提起の
機会に接することができるかどうかは風次第。

また、依頼者第一で考えると、
判決になったら、意義ある判決になると
思っても
和解で解決を優先ということが通常です。

でも、今回の件については、
武富士の倒産によって
過払い金を回収できなくなった依頼者がいた
法律事務所は、かなり(おそらく千の単位)
あったと思います。

つまり、 今回の判決と同じ問題提起をすることが
できた弁護士は、数千人はいただろうと思います。

でも、その中で現実に(そして、たぶん一番早く)
提訴し、今回の判決に至ったのは当事務所だった
ということです。

この件は、当事務所にとって特殊なものではなく
普段から、そいういう仕事をしていることが
形に現れたものと思われます。

たとえば、ほかの件では、
男側の離婚問題の不条理について、先駆的に力を入れていたり
B型肝炎問題について、弁護団以外では、いち早く窓口を立ち上げて
救済に力を入れたり
と言った、他の事務所に先駆けて困難に取り組む
事務所の仕事上のスタンスが、今回の判決につながった
ものと思います。

武富士元代表者の責任を認める判決2

7月 21st, 2012
表記の判決は、社会的影響のある判決です。
そう思って、マスコミに連絡しました。
多くの新聞社が、全国版で掲載したようですので、
社会的に影響がある判決と判断したものと思います。

当事務所内では、この判決をマスコミに連絡するかどうかは
慎重に検討しました。
というのは、この事件に限らず、
当事務所では、あくまで依頼者の利益を
手堅く追求するというスタンスで、
社会改善・世直し運動的な方向性は全くないからです。

ですから、社会的に意義がある判決でも、
公表することが、依頼者の利益からみて
総合的に見て多少でもマイナスがあるのであれば、
公表しないとういのが、当事務所の基本スタンスです。

今回は、議論の末、公表するメリットが
(つまり最終的な勝訴可能性を高める観点から)
依頼者にとっても大きいと判断しました。
(もちろん、個別依頼者のプライバシーが公表される
ということは全くありません)

さて、社会的意義についてですが、
もちろん、社会面記事的な価値はあるのですが、
私自身は、本来は日本経済新聞が一面で取り上げるべき
判決だと思っています。

今回の訴訟での当事務所の問題提起、
そして、今回の判決で認められた点の本質は、
グレーゾーン金利を否定する最高裁判所の判決が出たのに、
消費者金融会社はおろか、いわゆるクレジットカード会社
は、最高裁判所の判断を黙殺し、
いままで通りの営業を続けたことが許されるのか、
ということです。

平成18年1月のグレーゾーン金利を否定する判断がでたとき、
私は、まともな会社なら、過払いを自主的に返還するだろうし、
そうでなくても、過払いになっている契約者にこれ以上、
貸金があると嘘をいって請求することはないだろうから、
弁護士の仕事としての、過払い事件や債務整理事件は
一気になくなるのだろう、と思いました。

ところが、現実は、その逆で、金融会社は
法律上、存在しない貸金残高をあくまで
契約者に支払わせ続け、
その結果、弁護士や司法書士は過払い事件が
バブル化したという実情があります。

でも、そういう営業を続けた場合は、
会社だけでなく、経営者も不法行為責任を
負うというのが今回の判決です。

それなりに社会的に信用があると思われる
ニコス、オリコ、セゾンと言ったカード会社も
同じことをしているのです。

そういう会社の経営者も、巨額の不法行為責任を
負っているというのが今回の判決の意義です。
( 但し、会社が倒産しない限り、この責任が
個人責任としては、通常表面化はしない)

そして、いまだに、法律上存在しない債権を
請求し続けているのが実情です。

今回の判決を機に、契約者に対し、
貸金残高について、お詫びと訂正のお知らせ
を送付することが期待されるということなのですが。

というわけで、本当は日経新聞あたりにとって
本当は報道価値が大きな判決だと思います。

 

武富士元代表者の責任を認める判決1

7月 20th, 2012
新聞各紙で報道がありましたが、武富士の元代表者
に対して、過払い金の一部の責任を認める判決が
横浜地裁で出ました。

朝日新聞
時事通信

当事務所で、行なった事件です。
伊藤義人弁護士と
柏木研一郎弁護士と
私(勝俣豪)で担当しました。
あと、柳下明生弁護士も
理論面検討で参加しています。

この事件は、
社会的影響の面でも、
法律解釈という面でも
当事務所のスタンスの一例という面でも
また弁護士の仕事のあり方とう面でも
いろいろ、説明する点がありますので、
順次、書いていこうと思います。

教養

7月 16th, 2012
日経新聞の一面で
人材育成 企業が注目の大学 国際教養大 首位に
とのことです。
さらに、主要企業の人事トップが大学教育に求めるものは
「教養教育の強化」
が1位とのことです。

少し前までは、大学教育に社会に出てからの即戦力的な
知識を求めていたような気がしないでもないですが、
主要企業の人事トップ、つまり企業人としての上位層が
現代の若い世代に対して教養の不足を思うのは
そうだろうな、と思います。

私自身は、自分より多少上の世代よりは、はるかに劣るのかもしれませんが、
幸運にも、教養教育は、同世代の中では、かなり受けていると思います。

まず、高校が県立高校 だったため、理科社会を幅広く授業を受けています。
理科であれば、生物全部と、物理・化学・地学の半分を学んでいます。
社会であれば、日本史・世界史・地理・倫理・政治経済といったたりもひとおとり学んでいます。
これが、いわゆる中高一貫の受験校だと、受験対策を優先するために
私が学んだことの半分以下しか学んでいないことが多いようです。
たとえば文系であれば、物理や化学は全然知らないということも普通です。

また、大学受験も東大受験は、社会2科目の6科目の受験をしなければならないので
私学の3科目や、通常の国立大の5科目程度に比べると、
教養を身につけざるを得ません。
やはり、受験科目は授業を受けただけの教科に比べると、気合が違いますから
かなり濃く理解します。
なお、高校での授業科目というのは、ある意味教養の基礎をなす部分です。
教養とは雑学ではなく、一定の学問化・理論化された体系的知識です。
そういったものの、もっとも基本的な部分を高校の各科目で学びます。
少し前に、B型肝炎訴訟の関係で遺伝子について改めて理解しなおす必要があったとき
友人の生物学者に何を読むとよいか聞いたところ、
高校の教科書が、学者間の共通理解の基礎となる部分で、とても優れているから
お薦めといわれましたが、各科目とも、高校の教科書というのはそういうものだろうと思います。

と高校の授業の有用性について、えらそうに書いていますが、実際には、全く聞いていなくて
試験勉強だけでした(でも、試験勉強をすれば、結局学べます)。
で、聞いてなくて何をしていたかというと、文学史にでているような本をひたすら読んでいましたので、
いわゆる文学史上の名作の類は結構読んでいます。
(授業中に漫画の類を読んでいるととりあげられるが、名作の類だと黙認される面がありました)

さらに、大学では哲学を中心に勉強し、当時は、西洋哲学史の講義くらいは
できるだろうという気分でした。
大学卒業後、不動産鑑定士の受験機会があり、経済学、会計学を学ぶ機会を得ました。
(これも試験なので、かなり濃い密度で理解しているはずです)

というわけで、ありがたいことに、おそらく同世代では、色々な学問が、おおよそどういうものか
等にふれる機会があったと思います

で、私の交友関係というのは、大学関係だったり法曹関係だったりで、
世間的にはいわゆる、かなりのエリート層のはずなのですが、
その会話の中に、上記のような教養が必要とされる会話は、ほとんどありません。
つまり、教養がなくても、困ることは、まずありません。

それは、単にその話題を避けているのではなく、端的にそういう教育を受けていないことにあります。
高校で、十分に理科や社会を学んでいなかったり、文学はほとんど触れていなかったり、
文系学問でも自分の学部系以外のことは、教養の講義でざっと聞いただけだったり
現状、同世代のいわゆるエリート層といわれる人の現状はそんなところと思われます。
一度、刑事事件で、基本的な物理法則上、ありえないような主張を検事がし、
その不合理を指摘したところ、判決では、事故時には様々な不可思議な力が働くので、
なんて書いてあったりして、そういう意味でも、法曹界の教養のなさも危険水準にあります。

私は、外人との接触はほとんどないので実感はないのですが、
外人のエリート層は、その会話の共通基盤としての教養があるという
話は、ちょこちょこと聞きます。
でも、日本には、あまりそういった雰囲気は感じません。

まあでも、本日日経新聞1面のメイン記事は、若者が企業に就職できずに
必死になっている話しですから、
企業が教養を重視するようになると、少しは世の中変わるのかもしれません。

インフレと破産・免責

7月 11th, 2012
国の債務が大変なことになっているということで、
消費税をあげるそうです。
でも、きっと全然足りないでしょう。
かといって国民は、痛みを伴う改革はきっと受け入れないでしょう。
大阪の人気者あたりが、うまく、やってくれるのかも知れませんが。

でも、うまい手があると言われています。
インフレです。
インフレで物価が2倍になれば、借金は半減することになります。

江戸の昔、大名は、財政難から藩札の類をどんどん発行し、
藩札の価値がなくなり、どんどんインフレになったと聞きます。

大学の頃、機会があって、経済学を学習したときも
インフレがいかに恐ろしく、それを防ぐために
どうすればよいかが色々書いてありました。

でも、その頃から、デフレと財政危機の時代でした。
もし、日本銀行がどんどんお金を発行して、そのお金を
国にあげて、国の借金を返してあげれば、財政難は解消する。

そうすると、藩札の話と同様、インフレになるけど、
デフレ経済下では望むところ。
インフレになれば、円も安くなるから、輸出産業にとっても願ったりかなったり。

なんではないか、と当時、思って、経済学部でそれなりにまじめに勉強している
友人等に質問してみましたが、 要領を得ませんでした。

きっと、インフレがすごくなりすぎるリスクが強いからなのかなと思いました。

でも、10年ほど前から、同じような見解をマスコミ等でみかけるようになりました。
それほど、デタラメな意見でもなかったようです。

で、見かけるようになると、その問題点もしっかり読むことが出来ます。
インフレになれば、当然、円安になる。
海外のもの、特に食料品が高騰して、日常生活は困窮するだろう。
まあ、そういう形で、放漫財政のあぶく銭を享受した罪を、償うということでしょう。

ところが、ここでまた、分からない点、つまり夢のような手品の可能性があるのではないか。
という気がします。

日本だけが、財政危機でインフレがおこれば、そういうことになりますが、
世界どこの国も、財政危機のようです。
そうすると、すべての国で、同程度のインフレが起これば
円だけ安くなるわけではなく、結果、上記の罪滅ぼしの機会もなくなります。
でも、借金は、ほとんどチャラです。

うーん。本当にそういうことになるのか、よく分かりませんが、
もし、本当にそれが実現したとき、
国債自体に信用がなくなって、よほどの高金利でないと
発行できなくなるかもしれません。

そんなわけで、借金できなくなるリスクと引き換えに
一度は、借金をチャラにするチャンスがあるのかもしれません。

まるで、個人の破産・免責制度のようですね。
もっとも、個人の破産免責は、7年ほどすると、再びチャンスが訪れますが。

 

画像の検索

7月 4th, 2012
グーグルによる画像による検索が賢くなった
というニュースがありました。

テキストで検索して、検索結果として画像が出る
というのは普通の話です。

「アミガサタケ」と検索窓に入力して
画像検索結果としてアミガサタケの写真がいっぱいでてくる
というものです。

でも、アミガサタケの写真をもとに、
それに関連する情報が出てくるというのは
なかなか難しいようで、それが進化したということのようです。

これがもっと進歩すれば、樹木だ、野鳥だ、キノコだ
といったものを覚えなくても、スマートフォンで写真を
とって検索すれば情報がでるということになるのでしょう。

樹木や野鳥であれば、そのうちできそうな気がしますが、
キノコはなかなか、難しそうです。

キノコを同定する上では、単にみかけ、つまり、色や形だけでなく
どの季節か
どこに生えていたか(標高や周りの木の種類)
もろいか、ゴムのようか、等の触った感じ
におい
ちょっと噛んでみて苦いかどうか
なんて、ことを含めて考えています。

ですから、画像だけで、しっかり同定しようと思うと
見た目の違いについて、もっと徹底的に研究する必要があるかもしれません。

そういえば、友人の学者が、画像認識の研究をしているようです。
冗談で、車の後ろにつけておいて、覆面パトカーらしきもの、つまり
クラウンらしきセダンで
地元ナンバーで
中に複数の人が乗っていて
青い制服を着ていて
なんて、あたりの幾つかにあてはまる車を認識したら
警告を出す装置を作ってくれ、
と頼みましたが、駄目でした。

でも、画像認識の技術が進歩したら
間違いなく商品化されそうです。

 

商大高校出身の松井

7月 3rd, 2012
交流戦の泥沼の10連敗を脱し、
その後、ようやくスワローズも立ち直りつつあります。

10連敗の原因は、チャンスで得点できないこと
その原因は、外人クリーンナップ
と前に書きましたが、
クリーンナップを川端、畠山、飯原の
日本人3人に代えて、ようやく連敗脱出です。

今は、川端、畠山、バレンティンと
やはり日本人2人体勢で概ねうまくいっています。

さて、この1ヶ月の最大のニュースは
松井淳の登場です。

今年は、誰か一人日本人外野手がレギュラーになるチャンスがあって
上田と雄平と飯原が争う雰囲気で、
雄平に大きな期待を寄せていたのですが、
チャンスをもらいながらも生かせませんでした。
また、ずっと応援していた飯原もチャンスを生かせず
上田も怪我で・・

という中に、突然現れて、ガンガン打っています。

さて、松井淳は横浜商大高校の出身です。
横浜商大高校は、通っていた小学校のそばにあり
中に入って遊んだりしていたので、昔から親近感があります。
私は、県立の希望ヶ丘高校卒なのですが、
プロ野球選手が出るような学校ではありません。
そこで、横浜商大高校は、母校代わりとして、
なんとなく、応援したくなります。
これでヤクルトは、館山、村中と並んで3人目の神奈川県出身レギュラー
の登場になりそうです。

6月 27th, 2012
この時期になると、色々株主総会のお知らせだとか、報告だとか
がワラワラと自宅に届きます。

自分の買った株の大半が、今より平均株価が倍くらいだった頃
に購入したもので、巨額の含み損を抱えて、
塩漬け状況になっているからではありませんが、

株をしっかり運用すれば、それなりに儲かると
考えている人が、沢山いることには、驚きを感じます。

以前に読んだ記事では、株に投資する投資信託のうち
インデックスファンドより運用成績が良かったのは
3割だか4割だったとのことです。

インデックスファンドというのは、平均株価に応じて
機械的に購入するものです。
そこに工夫や研究の余地はありません。

3割だか4割の残りがどうだったかの記載はありませんが、
どうせ
4割インデックスファンドより運用良
2割インデックスファンドとほぼ同等
4割インデックスファンドより運用悪
というあたりだろうと推測されます。

インデックスファンド以外のものは
当然個別銘柄を研究して購入するのでしょうから、
インデックスファンドと同程度の運用成績では
研究するだけ無駄ですし、
それより運用成績が悪いのでは話になりません。

わざと運用成績を落としているということもないでしょうから、
個別に見ると、色々工夫してよい運用成績をあげているように
みえることがあっても、
全体としてみれば、機械的に購入するのとトントン
というのが実情だろうと思います。

こういう事情を考慮すると、うまくいっているのは
偶然であると考えざるを得ない気がします。

もちろん、投資信託には、プロが運用するから
素人運用よりうまくいく
という以外にもメリットが沢山あるので、
意味がないということは、もちろんないです。

ハードワーク

6月 19th, 2012
ユニクロの柳井氏と並ぶ、現代の名経営者だと思う
日本電産の永守重信氏の
『「人を動かす人」になれ!-すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』
を読みすすめています。

もともと永守さんには興味があったのですが、なんとなくアマゾンで
調べていたら本を書いていたので買ってみました。
軽めの本なので、遅読の私でも、いましばらくで、読み終わると思います。

タイトルにもある、
すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
というのは、気合と執念がでる、よい言葉だと思います。

日本電産は徹底的にハードワークの文化のようです。
はじめに色々と叩き込むようです。
で、こういうヤツは駄目だと色々あるのですが、
私は、真っ先にダメということになりそうです。

そうそう、こうやって色々説教受けるうちに、
ドンドン気力が失われて、
居心地が悪くなって、
逃げたくなって、自分に自信がなくなって
さらにやる気のなさを、説教されて

と過去に何度か、あったパターンを思い出します。

成功したければ人の2倍しろ
という発想は、確かに、理屈ではそうなんです。
たいていのところ、才能の差よりも、
努力の差の方が、はるかに大きい。

でも、努力できるのも才能のうち
という負け犬の遠吠えも、
強い実感があります。

私自身は、
東京大学に入るのも
昔の司法試験に合格するのも
多分、そのときの合格者の中で
もっとも少ない勉強量で、乗り越えている可能性があります。

でも、どのように勉強するべきか
と考えることに当てた時間は、
おそらく一番多かったと思います。

ある種の努力のワナというものがあって、
今の努力ペースでは足りないという事実がでたときに
「もっと努力しなくては」という決意は
失敗に終わる可能性が高いと思います。

今程度の努力しか出来ない中で、
もっとも成功確率を高めるには
どうすればよいのか?
と考えるのが私のやり方なんだと思います。

既成の組織で、そういうことを唱えると
先輩と称する人たちから
屁理屈言うな、とばかりの説教攻撃を受けます。

でも、今は、幸いそういう呪縛からは逃れています。

そんなわけで、私が責任を持つ現在の組織については、
事務所の人が、プライベート等とのバランスをしっかりとれる
枠内でもっとも高い仕事上の成果をおさめるには、どうすればよいのか?
と考えなければならん、と思っています。

ということで、永守流のうち、ハードワークの文化については、
少しなじめないのですが、それ以外は、さすがと思う
記述が多々あり、楽しく読んでいます。