Archive for the ‘マイタウン法律事務所’ Category

会議

木曜日, 3月 22nd, 2012
当事務所の運営上の特色のひとつは、会議がないことです。
それがよいのか、悪いのか。
実際上の効用においても、内部の意見においても
色々あると思いますが、結果として、会議なく運営されています。

いいかえれば、代表の独裁制です。
プラトンは、民主制より哲人王が統治するのが理想だと
しましたが、別にそれにあやかったわけではありません。

事務所が4箇所もある状況で、皆に時間的ロスを課してまで、
会議をする必要性を私が感じない。
また、事務所内からも「是非とも会議」をという声もない。
そんな次第で、ここまで来ているという状況です。

意見にも耳を貸さずに、独裁体制を遂行する。
というわけではなく、ある決定を行う際には、
その決定を行う上で重要な情報を持っている人や
それによって影響を受ける人の意見を個別に聞きます。
事務スタッフに意見を聞くときは、1対1ではなく
事務のしま全体から意見を聞くことも多いので、
これは会議と言えば会議なのかもしれません。

会議がないのは理想の組織だ
とも言ってられず、不安に感じることがあります。
やはり、会議がない組織というのは、世の中
あまり聞かないので、やはり会議には
何らかの積極的な意味があるのではないか。
いったい、会議で何をしているのだ。
私自身、サラリーマン経験はあるものの、
下っ端としての1年半だけなので、
いわゆる会議というものは、出たことがありません。

弁護士会の委員会というのは会議の典型のようなもの
なのですが、参加しても、正直、会議としてやる意義が
よく分かりません。

そんなわけで、先日、会議もどきでもしてみるかと
思い立ち、毎月行っている勉強会の前の1時間ほど
、任意参加で、会議のようなものをしてみました。

任意参加ですので、議題に興味がある人だけの参加です。
感触としては、あっという間に時間が過ぎた気がします。
でも、この感触がダラダラと長く続き会議を生み出すのでしょう。

いましばらく、任意参加の会議をためしてみようと思っています。

 

法律事務所の名前

水曜日, 2月 8th, 2012
法律事務所というのは、弁護士の事務所です。
弁護士以外の事務所は、法律事務所は名乗れません。
よくみると「法務」事務所だったりします。

さて、法律事務所の名前ですが、たいてい
①人の名前
②場所の名前
③理念をあらわすようなカタカナの名前
のどれかです。

昔は、①や②が圧倒的で、どちらかというと
普通の事務所は人の名前だったようです。

人の名前だからといって個人事務所的傾向が強いわけではなく、
日本を代表する企業法務の大事務所も、たいてい人の名前がついています。

③のカタカナ名(場合によってはアルファベット)は、最近増えてきた名前です。
しかもその名前は聞きなれない言葉で、その意味について解説をつけること
が多いようです。

さて、当事務所ですが、・・・
実は、解説不要の名前にしたい、というのがありましたので、
本来は、マイタウンとは云々、というのはおかしいのですが、
タウンというのは、シティでなくタウン
つまり、都会・ビジネス街ではなく、ちいさな町、住宅街の事務所だ
というのと
かっこよさげで、薀蓄や解説が必要な名前は、
敷居が高くなるとの表裏一体の気がしたので、
マイタウンということです。

ところで、総合(又は綜合)が入っている事務所と
入っていない事務所がありますが、
ほとんど意味はないです。
総合をいれると、立派そうに見えるとか
取り扱い分野が広そうに見えると考えた人は
事務所名に総合を入れ、
総合が入ると言うのも書くのも長くなり面倒と
思ったら、入れないというレベルの問題です。

当事務所でお役に立てそうもない件

金曜日, 1月 20th, 2012
先日,法テラス利用を前提にした,当事務所での相談・依頼はお断りしていることと
その理由を書きました。

それ以外に,当事務所にお問い合わせいただいたり,
又は,お越しいただいても,ご期待に添えないことが多い
と思われる件がいくつかあります。
当事務所では,相談終了後にアンケートをお願いしていますが,
どうしても満足度が低くなってしまうような相談の類型です。

一つは,ご自身の問題が,人権問題だ,人権侵害だという件です。
世の中には人権派弁護士と呼ばれる方々がいて,
自称正義の味方なわけですが,
当事務所は,いわゆる人権派な法律事務所ではありません。
当事務所でも,人権侵害を受けたという方について
一般的な法律上の解決策についてはご説明いたしますが,
あまり納得されない方が多いような気がします。

そんなわけで,交通事故だ,離婚だ,相続だ,債務整理だとか
そういう問題ではなく,人権に係る問題を相談したい方については
他を当たられた方がよいと思います。

また,法律の抜け穴を探りたい方,白を黒にしたい方も
当事務所は,ご期待には添えないと思います。
相談中に,嘘の書類を作成したら自分に有利になるかとか,
そういうことを聞いてくる方がいます。
でも,そのようなことに知恵をつけるのが弁護士の仕事だとは,
当事務所は考えておりません。
だいたい気まずい雰囲気になりますので,他を当たっていただければ
と思います。

と,以上の3種類(法テラス,人権問題,法律の抜け穴探し)
については,当事務所は残念ながらお役に立てませんが,
それ以外については,種々雑多な法律相談をいつも受け付けており,
相談アンケートを見る限り,ほとんどの方にご満足いただいているようです。
「こんなことを相談して良いのだろうか? 」というご遠慮は不要ですので,
お問い合わせいただければと思います。

法テラスの利用について

金曜日, 1月 13th, 2012
弁護士の依頼について,一定の資産・収入以下の人のために法テラスの法律扶助という制度があります。

そこで,法テラスを利用した上で,当事務所に依頼したい,というご連絡をよくいただきます。
しかし,当事務所では,そのようなご要望はお断りしています。

法テラスの法律扶助に対するスタンスについては,各弁護士・各事務所の正義感や思想に
直接に関わる部分があるので,色々だと思います。

当事務所で,法テラスを利用しての依頼をお断りしている理由は次の通りです。

法テラス利用の場合,弁護士費用は,通常の場合の弁護士費用の場合より
大幅に安くなります。

例えば,通常60万円の件が,法テラスだと30万円程度が弁護士報酬になります。
そして,弁護士は通常に依頼を受けようが,法テラスで受けようが,仕事の仕方を変えることは
ないことが普通です。

そうであれば,30万円の弁護士報酬で仕事ができるのであれば,
60万円の弁護士報酬はぼったくりです。
もし,60万円の弁護士報酬が適正妥当なのであれば,30万円では赤字受注になります。

通常の民事事件の依頼において,弁護士業務の現状からすると
依頼者の側からすると費用は高く感じますが,弁護士の側からすると
かなりきついと感じることが多いのが通常です。

当事務所の通常の弁護士費用も,当事務所の考える仕事の質を維持する中
そのぎりぎりのところで定めています。

その結果,当事務所が求める水準の弁護士業務を考える場合
法テラスの弁護士費用では,赤字受注にならざるを得ません。

赤字受注の仕事を組織的・継続的に受けることになれば
この赤字部分のツケを必ずどこかにすことになります。

弁護士に加重労働を強いるか
そうすると,弁護士業務の水準は当然下がります

弁護士の給料を下げるか
そうすると優秀な弁護士は当事務所を去り ,当事務所の弁護士業務の水準は下がります。

他の事件の手を抜くか
当然弁護士業務の水準は下がります。

いずれにしろ必然的に,通常の費用を支払っていただいている依頼者へ
法テラス業務のツケを回すことになります。

これは,私の考えとしては,著しい不正義以外の何者でもありません。

そんなわけで,事務所全体の方針としては,原則として,法テラス希望の依頼者はお断りしています。

ただ,個別の弁護士については,法テラスの社会的意義に賛同して,
法テラスで行われている法律相談を手伝い,そこでお会いした
依頼者から法律扶助で受任する者も多くいます。
個人の時間を犠牲にして,通常受任での依頼者に影響が出ない範囲で,
法テラスの仕事をしているわけです。
もちろん,その場合は,当事務所の事件として,当事務所の水準で仕事をします。

これは,事務所としても望ましいことだと考えています。
ただ,事務所全体として組織的に,法テラス希望の依頼者の受任を許容すると
他の依頼者にツケを回すことになるため,当事務所をご指名いただいての
法テラスの利用はお断りしている次第です。

本日から業務開始

火曜日, 1月 10th, 2012
今年は,12月をぎりぎりまで仕事して,正月をのんびり目にしました。
なので,今日が業務開始です。

弁護士の仕事も,最近は殿様商売ではなくなって,
どんどん営業時間が延びています。
夜間相談や,土日相談も増えてきています。
そのうち,24時間営業が始まるのではないかという勢いです。

利便性が高まることは,依頼者・相談者にとってはよいことです。
でも,その反面についても考える必要があります。

朝から夜遅くまで,土日もなく営業を続けている事務所の弁護士に
良い仕事ができるのだろうか?ということです。

営業時間が拡大している事務所の多くは弁護士法人等の複数の弁護士が
所属する事務所で,事務所の方針として長時間営業をしています。
そこで,相談を担当する弁護士は,事実上の業務命令によって,
長時間労働,休日労働を強いられているのが実情と思われます。

弁護士の仕事は,一つの事件にじっくり向き合う必要があります。
テレビドラマの弁護士のように,一つの事件だけに,向き合えれば
理想です。
実際には多数の事件を抱えていますが,それでもじっくり事件と
向き合う時間が必要です。

また,不断の勉強も欠かせません。

もちろん,世の中には超人的な人もいて,
24時間働くようなペースで,しっかり事件に向き合い,
勉強の努力も怠らない人もいます。

でも,事務所を組織として考える場合,組織の構成員が
超人であることを前提に考えるわけにはいきません。

事務所としては,個々の弁護士が,ひとつひとつの事件に向き合ったり
不断の勉強を継続できるような時間的・精神的余裕を作れるよう
配慮する必要があると思っています。
そうでないと,本当に質の高い仕事をする事務所にはなれないと思います。

名目上の利便性が高まっても,仕事の質が落ちては
もともこうもないのです。

当事務所の相談対応時間は,基本平日の昼間のみですので,
ご不便をおかけしていることもあるかと思いますが,
このような方針からです。
そのぶん,弁護士会の研修会の出席率は,当事務所は極めて
高いと思います。
(もっとも,私自身は,以前書いたように「読む人」なので,研修会はほとんどでずに,
独習です。ですので,事務所内でも研修参加のプレッシャーを
かけることはありません。勉強しろプレッシャーだけです)

不断の研鑽によって,他の事務所では提案できない解決策を提案できるよう
つとめていきたいと思っています。

もちろん,利便性を軽視しているわけではなく,一部相談については電話相談
を実施したり,出張相談を実施して,利便性を高めるよう努めています。

そのようなわけで,今年も一流の法的サービスを提供すべく,頑張っていきたいと思います。

弁護士の就職難

金曜日, 12月 16th, 2011
本日の朝日新聞の記事で,司法修習を終了したけど,就職できない人が400人ほど出たとのことです。
実感として,弁護士仕事がそれほどあるわけではないので,当然のことだろうと思います。
仮に,どんどん就職できたら,それだけ弁護士が増えて,その弁護士を社会が養うことになります。
つまり,今まで弁護士にお金を払わずに済んでいた人が,お金を払うことになる社会になる。・
弁護士が今の暮らしをより快適にするような提案ができるのであれば,それでもよいのですがが,
それができないと,ロクででもない社会になりそうです。

そういう面では,過剰に弁護士が増えないように,社会的に自制が働いたのでしょう。
弁護士業界は,合格者を1500人にしろ,とか色々目標を立てて,計画経済のごとく
考えていますが
きっちり,市場原理が働いて,合格者が1500人とほぼ同じ結果になったわけです。

司法試験の合格段階で絞るか,就職段階で絞るかは
修習生がかわいそうか,国家が無駄な支出をすることになるか,一概には言えないでしょう。

ただ,司法試験の合格水準さえ下げなければ,多額の投資をしても仕事がない業界に
流入してくる人は激減し,合格水準の能力を身につけられる人も激減すると思うので
自然と,適正な人数になるでしょう。
市場にまかせればよいということです。
弁護士業界は,ただ「合格水準を下げるな」と言っていればよいのです。

さて,記事の中に毎月の弁護士会費の負担があるから登録できないということも書いてあります。
私の所属する横浜だと,毎月3万から4万ほど払っています。
弁護士がとても少なくて,独占的利益を享受しているとすると,どこかの過剰利益から払えばよいのですが
上記のように,弁護士の供給市場は飽和していますので,過剰利益はありません。
当然,弁護士費用に価格転嫁されます。

個人の事件をする弁護士(業界用語で一般民事)だと,月に3,4件の事件の依頼を受ける のが
平均的かなと思います。そうすると,各事件ごとに1万ほどの価格転嫁が行われます。
それだけの価格転嫁を正当化するだけの,○○活動とやらなのかは・・・・どうなんでしょう。

さらに,ロースクール制度による価格転換もあります。つまり,設備投資の費用の回収です。
現在,ロースクールに行く学生の大半は,世間的な一流企業に就職できる層です。
その人たちが,3,4年無給でいることの,本人のロスは,1000万円以上でしょう。
本来,ロースクール制度が想定していた,多様な社会経験を有する人だと,もう少しよい
給料を捨てて3,4年は無給ですごすわけですから2000万円程度のロスになると思います。
ロースクールの学費も数百万はかかるのでしょう。

仮に2000万のロスを10年間で取り返そうと思うと,年間200万,月間16万となり,
月に3,4件の事件依頼とすると,1件5万円程度は上乗せしないと,あいません。
さらに,就職できないリスク,つまり多額の設備投資がすべて無駄になるリスクを考えると
もっと価格転嫁できないと,弁護士業界にすすむ合理性が無くなります。

つまり,現行の弁護士会費制度やロースクール制度によって,相当程度の弁護士費用への
価格転嫁が行われることは,理屈の上では予測されます。

当事務所は,個人の事件の分野において,
依頼者の側は「弁護士費用高すぎる」
弁護士の側は「この費用で,この重い件を引き受けるのはきつい」
という不幸な状況を何とかできるのは
依頼者の側ではなく弁護士側しかないと考えています。

まあ,そう簡単には何とかできる問題ではなく,
事務所全体で問題意識を持ちながら,10年くらいかけて,
少しずつ工夫を積み重ね
個人分野の仕事の仕方を抜本的に変えていければと思っています。

でも制度的に,上記のコストがかかるというのは,
(つまり,上記だけ価格転嫁して,それを給料に反映できなければ,
優秀な人は当事務所で働く経済的な合理性はないと言うこと
そして,ほとんどの法律事務所がそのような給料を支払えなければ,
まともな人間は弁護士業界に来なくなると言うこと)
大きな数字ではあります。

3つ目の視点

水曜日, 12月 7th, 2011
このブログの中で,法律家の思考の論理的なゆるさについては,
何度かふれてきました。

必然的な論理に基づく科学的な思考方法と
妥当な結論最優先で,矛盾してなければいいやという
法律家の論理に違いがあるということです。

でも,実は第三の視点も持っています。

それは経営者の視点です。
これは,さらに論理的にはテキトーで
下手な鉄砲数打ちゃ当たるというような思考回路です。

当事務所では,法的ニーズはまだあるのでは?と
いつも問いながら,色々なことに挑戦しているのですが,
まあ,だいたい失敗です。
こんなサービス便利かもと思って,始めてみますが,
ほとんど反応もなくて,そのうちやめるというのがたくさんあります。

「それはあんたの経営センスがないからだ!」
私も初めはそう思いました。
でも今なら,私は言い返します。
「あんた,経営したことないでしょう。」

ドラッカーの著作でも,『ビジナリーカンパニー』でも
何がうまくいくかは事前には,分からない。
とにかくうまくいく可能性があるものはとりあえず試し,
だめなら撤退するというやり方をするのだ,と書いてあります。

また,実際に発展した企業の歴史や,経営者本人の著作を読んでも
うまくいくと思ったことが,あたらず,思わぬものがヒットして
というのが定番のストーリーです。

私も,はじめは,とにかく挑戦し,失敗したらやめるの繰り返し,
という思考回路・行動パターンは慣れませんでしたが,
今は,自分のものになっている気がします。

法律家は,失敗しないような発想が中心ですから,失敗を極端にきらいます。
とにかく安全策・安全策で,「念のため,やめておきましょう」というのが口癖です。
でも,経営者発想だと,最悪どの程度か考えて,それが許容範囲であれば
「とりあえずやってみよう。」となります。

何かを事業を初めて失敗したとき
「なぜ,そんなことをしたんだ」
というのが通常の発想です。
政府の事業の失敗についてもそうです。
初めから失敗するのが分かっていたかのようです。

でも,それはきっと評論家的な視点なのだろうと思います。
大ヒットするようなことは,大半の人が失敗するだろうと思っていたこと
から生まれることも少なくありません。
何がうまくいくかは,やってみないと分からない。
ただ,うまくいかなさそうなときの撤退の段取りをとっていないこと や
うまくいっていないことを認めないこと
そういったことのほうが問題なのかなと思います。

弁護士の倫理研修

金曜日, 11月 18th, 2011
先日,弁護士会の倫理研修というものがありました。
だいたい5年ごとに強制的に受講です。

大学で倫理学を研究していた私に,倫理を研修してくれるとは
いったいどこのどなたでしょうか?
という話ではありません。
哲学者の倫理についての考えをご教示いただくのではなく,
弁護士実務の際,ルールの問題として悩ましい問題の研修です。
そうであれば,倫理等と大げさな名前をつけなければよいのですが,
一時期,弁護士が守るべきルールを弁護士倫理規定という名称で
成文化していたことがあるので,そういう名前の研修なのでしょう。

さて,今回のお題は弁護士報酬の決め方についてです。
つまり,法外な報酬を決めたらイカンということの研修ですが,
それだけでは「はいそうですね」で終わりですので,
実務上,決め方が難しい具体例を出して,それに対する
意見交換をするという内容です。

そしてポイントは,
①事件の着手金は経済的利益に応じて決める。
②しかし,依頼当初は経済的利益の把握が困難
なので,

依頼者が事件の見通しを納得してくれず多めに請求する場合や
見通しが大幅に異なって,わずかしからお金をとれなかったとき
どうするか といったことです。

でも,①はそうする必然性はありません。
単に,昔弁護士が守る必要があった弁護士報酬規定が
そういう形になっていたというだけで,報酬が自由化された現在では
着手金を経済的利益に応じて決める必要はありません。

でも①に固執する限りは,色々難しい問題が発生するということです。

当事務所では,着手金は基本的には経済的利益と無関係に
予想される手間の量に応じて決めますので,
今回の倫理研修で想定される悩ましい問題は無縁です。
(なお,当事務所でも報酬金は経済的利益に応じて決めます。
事件終了時は比較的経済的利益が分かりやすいし,成功を依頼者と分かち合うためです。)

それでも多くの事務所が惰性で,着手金を経済的利益に
応じて決めていますので,おかしなことが起こります。

たとえば,とりえず相手に慰謝料請求しようというときに,
200万請求ではじめると着手金は16万円
500万円の請求ではじめると着手金は34万円
なんていうのが旧報酬規定の考えです。
また,不動産がかかわる事件では,固定資産の評価証明なり
査定書なりなんなりがないと,弁護士費用が決められない
なんていうのも旧報酬規定ではよく困りました。

というわけで,今回の倫理研修は惰性で不合理な報酬規定を
利用している弁護士にだけ,有り難い講習だったということでした。

ただ,意見交換の中で,少なからず
「そういう場合は,手間の程度に応じて着手金を決める」
という意見もあったので,当事務所の決め方の正当性を確認できたのが収穫でした。
「そういう場合」に限らず,いつも手間に応じて決めればよいと思うのですが。

 

茅ヶ崎事務所開所

金曜日, 10月 14th, 2011
マイタウン法律事務所の4つめの事務所として,茅ヶ崎事務所が開所しました
当事務所は,平成16年に二俣川に事務所を設立以来,法律事務所がなくて不便な場所に
事務所を出すことを心がけています。

二俣川や金沢文庫周辺でも,登録上は法律事務所はあるにはありますが,
一般に相談を受け付けているような事務所ではなく,
自宅兼事務所のような事務所のようです。

そこで,身近なところで,紹介なしに法律相談等の法的サービス
が気軽に受けられるように事務所を開設しました。

青葉台事務所は,設立計画中に他にも事務所ができてしまったので,
当事務所が一番乗りではなかったのですが,青葉台に出そうと決めた時点では
法律事務所がありませんでした。

茅ヶ崎市内にも法律事務所はいくつかあります。
ただ,駅前には通常の法律事務所は一カ所でしたし,その事務所も
紹介なしで気軽に相談ができる事務所なのかどうか分からない状況でしたので,
設立することに決め,開所に至りました。

さて,弁護士事務所が支店(従事務所)を作ることができるようになり,
全国的には20程度の弁護士法人が4事務所以上の多事務所展開をしています。

その大半は,
①各県のターミナル駅に事務所を作り全国展開をする。
②特定県内の裁判所所在地のそばに事務所を開設していく
という2つのパターンです。

当事務所のように裁判所もなく,大きなターミナル駅でもないような住宅地の中心駅に
事務所を4つも開設しているような事務所はないようです。

その理由は,そのような場所に事務所をかまえることは,
裁判所から遠い,
他の事務所が既に成功しているターミナル駅でないと依頼者が来るか分からない等,
諸々不便なことやリスクがたくさんあるからです。

当事務所では,そのような不便やリスクを,合理化や工夫で乗り切って,
身近なところで一流の法的サービスを提供するという目標に進んでいきたいと思います。

『交通事故法律ガイド~横浜の弁護士』

金曜日, 9月 9th, 2011
当事務所では,
①わかりやすいこと
②内容が充実していること
をコンセプトに,昨年7月に離婚法律ガイド,今年1月に相続法律ガイド
という専門サイトを作成し,とても好評なようです。

このたび,同くわかりやすさと,内容の充実にこだわった
『交通事故法律ガイド~横浜の弁護士』
が完成しました。

交通事故のサイトについては,離婚や相続に比べて充実したサイトも多いようです。
そこで,交通事故法律ガイドでは,
最近多い自転車事故の問題や,難しい問題も多い無保険車との事故の問題
刑事責任に関する問題や,過失がある場合の本人負担と保険負担の割合等
他の交通事故サイトでは,あまり解説されていない問題についても
意識して説明するようにしてみました。

当事務所での交通事故事件に対するスタンスは
脱マニュアル主義です。

交通事故については,いわゆる赤い本等のマニュアル類が充実しており
あまり慣れていない弁護士でも一通りのことができるようになっています。

しかし反面で,そのようなマニュアルを絶対視したり,
またはマニュアルを超えたことをするのを面倒がったりする
悪弊も同時にみられます。

もちろん,当事務所も実際の実務の運用をふまえて
交渉・訴訟をします。それが最適なことが多いからです。
でも,マニュアル通りの結論では納得いかないという場合,
実務の運用根拠をふまえた上で,個別の事案に即した
最適な解決を目指すよう心がけています。

もし,当事務所以外の法律相談で,赤い本や青い本や緑の本を
片手に持った弁護士から,「それは難しいですね」と言われて
納得できない場合,一度,当事務所に相談してみてください。

同じように「それは難しいですね」という答えになるかも知れませんが,
単にマニュアルからすると難しいというのではなく,マニュアルから
離れて考えても難しいかどうかも検討した上で,見通しをお話ししたいと思います。