Archive for the ‘プロ野球(ヤクルトスワローズ)’ Category

中日・浅尾がMVP

土曜日, 12月 3rd, 2011
セ・リーグは中日の浅尾がMVPになりました。
中継ぎ投手の受賞ということで、プロ野球の歴史上、
大きな出来事だと思います。

成績自体は、凄まじいものです。
つまり全144試合中、79試合に登板し、
4点しか取られていない。
これを最優秀と言わずして、何と言うという成績です。
ちなみに、ヤクルトの中継ぎエース松岡は、63試合に登板し、
20点取られています。不調でしたが、これでも十分仕事をした
といえるレベルですから、浅尾のすごさが分かります。

実は、昨年も浅尾がMVPでもよい内容でしたが、
やはり中継ぎということで、MVPを取れませんでした。
今年は、吉見というMVPに十二分な
成績を収めた選手がいるのに、
浅尾がMVPに選ばれたということは、
去年と今年で、中継ぎというものの存在意義 について
見方が変わった、
いや浅尾が変えさせたと言えると思います。

そもそもピッチャーでは、先発が格上で、リリーフ陣は
格下という見方が根強くあります。
それでも、抑えのエースは、先発に近い評価を得られることも
徐々に増え、横浜の大魔神佐々木がMVPをとるに至って
(これも、画期的な出来事でした)
場合によっては、チームナンバーワンの選手が抑えのエース
ということもありえるという見方が出てきました。

ただ、抑えのエースは別格になっても中継ぎは、やはり
大分格下扱い、リリーフ陣の中で一番よい人が
抑えのエースになるというのがいわば常識です。

昔ながらの中継ぎ≒敗戦処理的なニュアンスが
未だに残っています。
たとえば、今年の交流戦で、ヤクルトの先発・増渕がパ・リーグ
に打ち込まれたとき、ヤクルトの伊勢コーチは、
増渕はパ・リーグでは中継ぎレベルという趣旨の
発言をしています。

その流れが少し変わったのは、現在の中日の抑えエース
岩瀬が中継ぎをしていた頃で、その頃の岩瀬は抑えの
ピッチャー(確かギャラード)よりよかった気がします。

また、ヤクルトでも、晩年の高津の頃は、中継ぎの石井弘のほうが、
よかったことがありました。

でも、抑えはプレッシャーが違うから、中継ぎでよくても、
抑えで同じようには、いかないと言われていて
中継ぎは格下というのは、なかなかぬぐえません。

そのような流れの中で、昨年は浅尾がもしかしてMVP?
という雰囲気がありましたが、打撃の主要部門でタイトルをとった
わけではない和田がMVPになりました。

しかし、浅尾は昨年よりもさらにハイレベルの成績を残します。
ただ、今年はMVP候補のライバル吉見は、最多勝・防御率一位、勝率一位
で、中日が 優勝していなくてもMVPになってよいくらいの成績です。
去年の和田をはるかにしのいでいます。

その中で、中継ぎのMVP。すごいことです。

ヤクルトの中継ぎエース松岡も、抑えの林がいる限りは、抑えに昇格でかいないのかなあ、
少しかわいそうだなあ、と思ってみていましたが、
どっこい、中継ぎで頑張りきれば、最優秀選手になれるのですから、
「抑えに昇格」「中継ぎのままではかわいそう」なんて、思う必要がなくなったのでしょう。

ヤクルトは優勝できず

木曜日, 10月 20th, 2011
プロ野球は中日が優勝し,ヤクルトは優勝できませんでした。
最後の中日との直接対決4連戦2回の計8戦で1勝しかできなかったので
仕方がないでしょう。

ただ,どうしても不思議な感じがしてしまうのは,野村ヤクルト時代から
ヤクルトは優勝争いにからんだときは,確実に優勝してきたからでしょう。
優勝争いをしながら,優勝できないということはないだろう,
と漠然と思っていたので,結局優勝できなかったという結論が
受入れにくいのかもしれません。

今振り返ると,いままでの強さの理由は,古田の勝負への執念だった気がします。
今年も,宮本や相川といったベテラン勢は勝負へのこだわりが見えましたが,
古田の強烈な「負けたくない」というオーラには到底及ばなかったように思えます。

さて今後はクライマックス,日本シリーズとあります。
古田がいた頃のヤクルトは,西武の全盛時に日本シリーズに負けて以降,
4度の日本シリーズではすべて勝っており,短期決戦では負けません。
ですので,何となく短期決戦になれば,勝てるような気がしてしまうのですが,
昔のヤクルトではないと思い知らされたところですので,なかなか難しいかも知れません。

館山の調子が戻ってきましたが,先発はそれ以外は頼りないので(少なくとも1対0で
勝てそうなのは館山だけ),ちょうどクライマックスの時期に畠山が絶好調になってくれるのを
期待したいと思います。

優勝できなかったことを置いておけば,とてもよいシーズンだったと思います。
基本的には選手の成長を楽しみにしているのですが,
バッターでは畠山と川端が一人前になったというのはとても,うれしい出来事です。
ヤクルトは伝統的に,4番を打てる日本人をほとんど育てられないので(育ったのは広沢だけだと思います),
畠山という日本人4番が出てきたというのは,長期的に見ると今年の大きな出来事だと思います。

残念だったのは,雄平がほとんど出てこなかったことです。
剛球左腕が泣く泣く打者に転向して今年で2年目。
2軍ではガンガン打っているようなので,いつ上がってくるか楽しみにしていたのですが,
あと1試合残す時点で,出番なしです。
あれだけの剛速球を投げていたので,おそらく外野手としても,かなりの強肩だろうと思います。
ポスト青木のアベレージヒッター兼ゴールデングラブの守備を期待しているので,
クライマックスでいきなり起用でもいいので,出てきて欲しいものです。

落合監督退任

日曜日, 10月 2nd, 2011
中日の落合監督が退任することになりました。
監督としての成績は、申し分ないと言えますが、色々球団内での事情があるようです。

そのことで、色々、評論家等の話が出ていますが、プロ野球界では繰り返されてきたことです。
数年前には、楽天の野村監督が退任しています。
落合監督の場合は、チームは強いが人気が低迷という要素があるようですが、
野村監督の場合は、人気もついてきますから、さらに理由としては不可解です。

ヤクルトでも野村監督が辞めることになったときは本当にビックリしショックでした。
ヤクルトは、野村監督の下で、強くなっただけでなく、巨人に次ぐ人気球団に
なりつつあったからです。
そして、案の定、野村監督退任後は、弱くなっただけでなく、十二球団の中でも
特に地味な球団に戻ってしまいました。
地味なことはファンである私としてはそれでよいのですが、球団経営としては
どうかなと思います。

落合野村だけでなく、常勝西武を率いた森監督の退任のときも、
弱小ヤクルトを日本一にし、常勝西武を作り上げた広岡監督の
ヤクルトや西武の退任のときも、同じような雰囲気でした。
監督しての手腕に文句はないが、諸々の理由で、クビということです。

きっとこのような現象は、プロ野球界だけではなく、一般社会にもたくさんあるのでしょう。
十二分の実績を上げているにもかかわらず、
トップが左遷されたり、クビになったりする。
世の中いろいろと難しいものです。

ところで、横浜ベイスターズを誰が立て直せるのか、
名投手コーチの尾花さんでも駄目そうですし、
野村監督はさすがに高齢ということで、ベイスターズに落合監督は面白いかも
と個人的には思っています。

ただ、今年については、お疲れ様ということで、落合監督は
あまり頑張らずに、ヤクルトを優勝させてもらいたいものです。

 

不愉快と愉快のバランス

水曜日, 8月 17th, 2011
今期好調のヤクルトも最近は失速気味です。
例年そうですが、ヤクルトが負けると不機嫌ですし、
連敗が続くと、ずっと不機嫌です。
そうなると、あまり試合も見ないのですが、
気になって、ちょこちょこ試合経過をみて、
やはり負けていて、不愉快な気持ちになります。

この不愉快な気分なしで、
勝ったときだけ愉快な気持ちになれればよいのですが、
なかなかそうもいきません。

負けたときに不愉快になるだけの関心があるからこそ、
勝ったときに心底うれしくなって、気分良くなれるのでしょう。

そうすると、愉快と不愉快は、結局はゼロサム(差し引き0)?
という気もします。
でも、やたらご機嫌な人や、やたら不機嫌な人も世の中にはいる気もします。

仮にゼロサム だとすると、愉快も不愉快もないよりは、
愉快も不愉快も十分にあったほうがよい気がします。

さて、ヤクルトが強い年は、気分も良く、何事もよいかというとそうでもなくて、
平成9年の野村ヤクルトが最後に日本一になった年、
私は、司法試験受験中で、史上最短合格計画と称して、ぎりぎりの勉強をしていました。

しかし、ヤクルトが余りにも強いと、ついつい試合を見続けて、ついでに
夜のスポーツニュースををハシゴして、となって・・
あと少しのところで、史上最短合格計画は失敗に終わってしまいました。

もっとも、それでもう一年じっくり勉強できたことが、今の糧になっていることは確かなので、
何が本当によいのかは良く分かりません。

石井一久~「好きこそ」でないから、未完の大器~

日曜日, 8月 7th, 2011
西武の石井一久投手が、史上最速で20人目の2000奪三振を達成しました。
先日、ヤクルトのエースは誰かということを書きましたが、その前のエースは間違いなく石井一久です。

石井一久は、この2000奪三振もそうですが、実績十分なベテラン一流選手ですが、未だに未完の大器の趣があります。
普通、未完の大器とは、実績のない若い選手に使う言葉で、そのうち消えていくか、一流になっていきます。
ですから、すでに一流になった石井に未完は、変なのですが、
本当は、超一流、もっと言えば、日本史上最高の投手になれないまま、ここまで来てしまった感があります。

今回の、2000奪三振も今までの最速記録は、日本史上最高との声が多い江夏です。
また、江夏も野茂も達成できなかった、シーズン奪三振率11超えを達成したのも石井だけです。
他の一流・超一流選手がどこかで、三振へのこだわりを捨てて、勝ちにこだわりを持って
実績を重ねるのに対し、石井は三振へのこだわりを捨てずに、ここまで来たのかもしれません。

メジャーでも、石井は前半戦は気が向くのか、調子がよく、シーズン終盤になって失速を繰り返しました。
その結果、2002年から2004年の3年間の前半戦だけの勝利数29はメジャー最高となります。
つまり、この3年間の前半戦ではメジャーナンバーワンとも言える活躍をしています。

こういうエピソード的な部分では、石井の超一流の片鱗はたくさんあります。
でも、現在の実績は、一流ですが、超一流にはとどかないままです。
そして、まもなく引退するだろうという気がします。

その石井の言葉は独特ですが、基本トーンとしては、
「野球はそれほど好きでない」というものです。
つまり、「好きこそものの上手なれ」ではありません。
その中で、人並みはずれた素質を頼って、一流の成績を上げてきているようです。
もし、野球が好きになって、イチローのように励めば、きっと超一流で
メジャーでも有数の選手になったのではないか、という思いがあるせいで
未完の大器といいたくなるのかもしれません。

自分の仕事について,素質に恵まれていても,好きになれるとは限りません。
そういう人にとって「好きこそ物の上手なれ」というのはプレッシャーです。
好きになるかどうかは,努力では,何ともならないからです。
そんな中,好きでないと言いながらも,一流といえる成績を残し続ける
石井一久は,独自の光を放っていると思います。

 

前半戦終了。ヤクルト独走?

水曜日, 7月 20th, 2011
プロ野球の前半戦が、終了し、セ・リーグはヤクルトが独走態勢に入りつつあります。
今年は、計算できる先発が4人いて、中継ぎ抑えも安定していること、昨年の勢いや自信があることから
例年になく、期待していたのですが、まさか、ここまでの独走態勢に入るとは思っても見ませんでした。

独走の理由は、戦力の充実ではなさそうです。
先発の4人も、村中が早々に離脱し、由規も交流戦で離脱。石川も昨年後半のような安定感もなく、勝ったり負けたり。
結局、安定していたのは館山1人。5人目に期待した増渕も、あまりよくない。
リリーフも、ここ3年間安定していた松岡が不安定な上、抑えの林も調子が悪い。
開幕前に期待してた投手陣は、ほとんど期待はずれの状況です。

打撃は、期待以上で、特に畠山が広沢以来の本格的な日本人4番バッターに成長したことや、
4月終わりから5月半ばのバレンティンの活躍は、大きいです。が
昨年後半の快進撃中にクリーンナップに定着した飯原が絶不調で、ほとんど2軍にいたり 、
やはり昨年4番で快進撃を支えたホワイトセルが、昨年ほどの安定感はないので、
決して、打線が 独走の理由ではありません。

実際、ここまで独走しているのに、総得点239点に対し総失点241点と失点の方が多い。
選手の個人成績の大半は、いかに点を取ったか、いかに失点を防いだかに集約されますので、
失点の方が多いチームの、選手の成績がたいしたことはないのは当然といえば当然です。

とすると、小川監督の采配?という気がしてきます。
確かに、失点の方が多いのに独走しているのは、競り合った試合にとても強いからで、
そういう部分で監督の采配の差がでるという話もあります。
ただ、監督の采配で、それほど勝敗は変わらないとも言われています。
そんなわけで、失点の方が多いチームの謎の独走という状況です。

あえて、小川監督の采配の特徴をあげると、代走の重用という点があります。
ベンチに、代走専門と思える選手が2人(現在だと、三輪と野口)ほどいます。
代走専門が2人もいますので、代打は手薄です。
ここぞの勝負の場面で、代走の三輪を使います。
クリーンナップのホワイトセルや畠山にも平気で代走を送ります。
代走の格としては野口より三輪が上で、三輪を代走に使うと監督が勝負を掛けていることが
チーム全体に伝わります。
たとえば7回あたりにチャンスが来ても、代走三輪を使わないと、監督は8回か9回に山場がくると
考えているということがチームに伝わります。

そして、実際、三輪は、内野安打で2塁からホームインしたり、
前進守備への痛烈な内野ゴロでサードからホームインしたり
しかも、それが9回や7回の同点のホームインですので
代走起用の強烈さが際立ちます。
それ以外にも、今年は、福地の代走起用や、川本の代走起用での勝利が話題になっています。

確かに、代打起用は、成功率はたかが知れていますので、監督の意思を示せたとしても、
結局尻すぼみになることが多いですが、
代走だと、滅多に失敗はなく、何事もないか大成功かですので、監督の意思をチームに示すのには
適しているのかもしれません。

いずれにしろ不思議な強さを発揮しているスワローズ、この調子で後半戦も頑張って、日本一になってほしいものです。

子曰く

月曜日, 6月 13th, 2011
ヤクルトは,いまだ首位を守っています。
好調小川ヤクルトの特徴は,野村野球への回帰です。
現在の,コーチ陣の大半は,野村ヤクルト時代の選手やコーチです。
さらに,最近トレード等で獲得した選手の多くも,阪神や楽天で野村野球を
経験した選手です。

野村監督以降,若松監督時代は野村野球は継承されていましたが,
古田・高田両監督時代に,ほぼ根絶やしになりました。
ただ,野村時代を知る選手コーチの中に,根強く
今の戦力で勝つには野村野球に戻るしかない,という雰囲気があり,
やはり野村野球を尊敬する小川監督の下で,それが復活したようです。

野村監督自体は,個性も強く,実際監督になると色々つらい面もありそうですが
今のヤクルトは,「野村監督はこう言っていた」ということを皆で考えながら,
野球をしているような雰囲気も感じます。
さながら「子曰く」の世界です。

さて,先日,ヤクルトの石川をエースとしてほめる記事がありました
ヤクルトの選手を取り上げてくれるのはうれしいのですが,明らかにヤクルトをよく分からず書いているようです。
100人中99人はヤクルトのエースは石川だと考える?わけはありません。
すくなくとも,現在のヤクルトを知っていれば,エースは石川は館山か,極めて悩ましいというのが正しいところです。

たしかに10年スパンでの活躍は石川が上ですし,館山も石川がエースだと認めています。
でも,ここ3,4年の間,私としては,「館山の日は負けられない」という気持ちです。
石川の日には,そんなことは思いません。相手方の投手・打線次第です。

そして,小川監督も,5/31の試合のコメントで,「館山が投げる試合は何としても勝たないといけない」
と言っています。チーム自体もそういう雰囲気だと思います。
館山は,調子が悪くなければ,相手がダルビッシュであれ杉内であれ,または相手打線が絶好調でも
十分勝てる,または最低限引き分けに持ち込めるだけの信頼感があります。
そして,数年にわたってこれだけの信頼感あるピッチングを続けるピッチャーは,尾花がエースだった頃以降,
ヤクルトにはいなかったのではないかと思います。

そして,今年の交流戦当初のチーム絶不調の中でも,館山の日だけは負けずにすみ,
そのうちチームも盛り返しました。
チーム状態がいかに悪くても,そのときは無失点でしのいでチームを勝利に導き,
チームもその投手が投げるときは絶対に勝つという気持ちでいる。
それがエースのイメージですが,この点ではヤクルトのエースは間違いなく館山です。

館山の現在の力からすると,ヤクルトというよりセリーグのエースでしょう。
確かに,今年だけなら内海の方が上ですし,去年はマエケンの方が上ですが,
ある程度の年数で見たら,館山がナンバーワンだと思われます。

今年の交流戦も,パリーグの圧勝ですが,そのパリーグ相手にほとんど完璧のピッチングを続けています。
現時点での交流戦の投手10傑に入っているのはセリーグでは館山だけ(現在4位)です。
強い?パリーグ打線相手に,パリーグのエースクラス同様の成績を収めています。

そんなわけで,我が家では館山のことを「影のエース」と呼んでいます。

祝!石川100勝(偉大なへっちゃら精神)

土曜日, 5月 14th, 2011
本日、ヤクルトの石川が通算100勝目をあげました。

いつもテレビ観戦ですが、今日は珍しく球場で観戦しました。

だいたい、年1回球場に行きますが、毎年負け試合でした。

子供と一緒に観戦した初勝利という点でも記念すべき勝利です。

今まで観戦した3度の中で、2度は、7回まで1対0で勝っていたのに

結局逆転され、1対2で負けるパターンでした。

今日も、7回まで1対0で勝っていて、嫌な予感がしましたが、

8回にバレンティンがホームランを打って、ジンクスを破ってくれました。

さて、石川ですが、100勝の秘訣は、

多少打たれても気にしない、へっちゃら精神にあると思います。

あまり速くないストレートと、遅い変化球を

狙い打たれることは気にせず、ストライクゾーンに投げ込んできます。

でも、しっかり緩急をつけて、コントロールを意識していれば、

打たれるときは打たれますが、

長いシーズンで、平均して6回で3失点くらい

(悪いときは、6回で4,5失点、よいときで、6回1,2失点)

のピッチングになります。

あとは、怪我をせずに、ローテーションを守り続ければ、

1年通すと、10勝10敗防御率4.50くらいの成績になります。

ここ何年間は、もう少しよくなりましたが、2年目から5年目くらいはだいたいそんな感じでした。

とにかく石川が先発する試合は、試合が壊れることはない。また、故障も少ないのでローテーションは維持してくれる。

そういう意味で、とても、よくやってくれているピッチャーです。

ただ、ローテーションの3番手4番手ならこれで十二分の能力ですが、エースというには、ちょっと物足りないことも確かです。

石川がエースと呼ばれてしまう点で、ヤクルトの投手陣の弱さがあったと思います。

もちろん、これは石川の問題ではありません。石川は、もっている素質の中で最大限のものを発揮し、さらにブラッシュアップしていっていると思います。

そして、この余分な欲がなく、完璧に抑えることを目指さずに(つまりエースらしくなろうとしない)、打たれたときは打たれたときと割り切って、投球スタイルを変えない強さが、石川の真骨頂です。

特に、昨年のように開幕から長期間勝てなくても、自分のスタイルを維持し、最終的にはよい成績を上げる強さはたいしたものです。

ここら辺は、以前に書いた高津に通じるものがあります。

たくさん試合をするプロ野球では、大数の法則が働くので、確率が大事です。

そこで、ひどい打たれ方をすることを気にせず、長期的に確率のよいピッチングスタイルを守り続けることで、大成するということが可能になります。

肉体的に恵まれているとはいえない石川の、へっちゃら精神。

今後も、この調子でがんばってもらいたいものです。

スワローズ,4月は好調です。

月曜日, 5月 2nd, 2011
ヤクルトスワローズは,昨日現在,単独首位です。

投手陣の充実に加え,畠山とバレンティンが予想外に打ちまくってくれました。

投手陣は,9連勝した中で,無失点勝利が5勝という充実ぶりです。

期待の館山が2完封しています。

打撃は,開幕当初不調でしたが,生え抜き中心にして,よみがえりました。

でも,影の立役者,不思議な成績を上げている選手がいます。

レギュラーを外れている福地です。

現在ヤクルトの試合数は17試合ですが,

10試合に出場し,7盗塁を決めて,現在セリーグ盗塁王の福地です。

10試合で7盗塁というだけでもすごいのですが,

なんと,現時点でヒットは0本,四球2,死球1です。

つまり,主に代走で出てきて,盗塁を決めているということです。

代走ですと,1試合,1回程度しかチャンスがないですから,代走で出たら,

かなりの確率で盗塁を試み,成功させているということです。

こんな確率で盗塁してしまうのであれば,送りバントはいりません。

いわゆる盗塁成功率とは次元が違います。

盗塁成功率とは,盗塁を試みた上での成功率だからです。

盗塁を試みなければ,分母になりません。

そして福地が,いかに相手にダメージを与えているかは,次の数字が示します。

得点7です。

つまり,7盗塁して,多少ずれはあるかも知れませんが,7回ホームインしているのです。

この驚異的な数字は,相手投手のクセを,普通では考えられないほど,徹底的に研究していなかったら無理でしょう。

このような影の努力を,数字が浮かび上がらせてくれるのも,プロ野球の面白いところです。

そろそろプロ野球開幕

日曜日, 4月 10th, 2011
ようやく、あと少しでプロ野球が開幕します。

今年のヤクルトの前評判は、相変わらず、巨人、中日、阪神の3強の争いに食い込めるかも、というレベルです。

ですが、今年は、投手陣がかなり充実していますし、昨年の勢いもありますので、優勝を期待しています。

投手陣は、石川、館山、由規、村中に増渕が加わった先発陣はリーグナンバーワンでしょうし、林、松岡、押本のいるリリーフ陣も安心感はあります。

特に、個人的には館山に期待し、20勝してほしいと思っています。

地味な館山に20勝?という気もするかもしれませんが、昨年は後半2ヶ月で、8勝2敗ですからシーズン6ヶ月あれば、24勝6敗ペースです。

オープン戦でも、昨年後半の勢いを持続していますから、是非、20勝して優勝してMVPをとってもらいたいと思います。

問題は打撃陣です。心配なのは、また移籍組や外人が中心になりかねない雰囲気があるのが気がかりです。

昨年、高田監督から、小川監督になって突如快進撃をした最大の要因は、生え抜きの扱いだと思います。

つまり、高田監督時代の野手8人のレギュラーは、

生え抜き 青木、田中、宮本

移籍組 相川、福地、藤本

外人 ガイエル デントナ

という状況でした。つまり、青木、田中、宮本という不動のレギュラー以外に生え抜きはいなかったのです。

ところが小川監督になった後は、

生え抜き 青木、田中、宮本、飯原、畠山、川端

移籍組 相川

外人 ホワイトセル

という具合に、生え抜き中心になりました。

ヤクルトは、ファミリー主義といわれ、ヤクルトの選手OBが、スカウト、2軍コーチや監督、2軍の寮長含めて、球団を支えています。

生え抜き選手は、スカウトが見出し、2軍の寮の人やコーチが手塩に掛けてきた選手です。

そのような選手に出番やチャンスがあるのかどうか、でスタッフを含めた球団全体の士気が大きく異なります。

つまり、外人や移籍組みばかりのレギュラーでは、ファンばかりでなく、スタッフ全体がしらけてしまうのです。

その状況で、生え抜き中心の起用をしたことが昨年の快進撃につながったといえます。

ところが、今年は、新外人や移籍組の浜中の調子がよく、昨年怪我をしていた川島慶も復活しています。

もしかすると、生え抜きの出番が少なくなってしまうかもしれません。

外人や移籍組にもしっかりチャンスを与えるのは当然としても、高田監督と同じ轍を踏まないことを祈っています。