Archive for 12月 28th, 2025

2025年読んだ本

日曜日, 12月 28th, 2025

西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか
 ロシアの状況(プーチンは支持されている。人口減少が問題となっているのでこれ以上の侵略は考えられない)、ウクライナの状況(戦争開始直前まで国家として崩壊していた)、アメリカの状況(製造業の衰退で戦争遂行能力が乏しい)等、日本で一般的に得られる情報・視点と大幅に異なり、面白かったです。



バガヴァッド・ギーター
 ヒンドゥー教の代表的聖典。なぜそこまで尊重されているのかはいまいち掴めせんでしたが、それだけにインド人の感覚を理解するためには読んでおく価値がありました。



マヌ法典
 インド古代の法典。〇〇したら豚に100回生まれ変わる、とか輪廻転生を前提とした世界観が面白い。



潤日(ルンリィー)―日本へ大脱出する中国人富裕層を追う
リアルタイム翻訳の普及により、日本に居る外国人とのコミュニケーションの壁がなくなるかも、というあたりで読んでみた本。



新版インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ
 ヨーガの聖典ヨーガ・スートラの解説。ヨーガというのはインド式柔軟体操ではなく、ヒンドゥー教の神聖な宗教行為全般を意味する感じ。基本は瞑想のヨーガだけど、ひたすら絶対者にすがるヨーガ、ひたすら言葉を唱えるヨーガとか。鎌倉仏教との親和性(瞑想のヨーガ→禅宗系、すがるヨーガ→浄土宗系、言葉を唱える→日蓮宗)があった面白かった(と思ったら、このあと別の本で日本の仏教は仏教というよりヒンドゥー教に近いのではという話もあった)。



日本のなかの中国
これも日本に居る外国人への興味から



北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪
これも日本に居る外国人への興味から



大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか
ヒンドゥー系を読んでいて、バラモン教→ヒンドゥー教の流れと、原始仏教→大乗仏教の流れの重なりかたに興味が出てきて読んでみました。
日本の仏教は、大乗仏教というよりヒンドゥー教に近いことがほのめかされていました。



或るヨギの自叙伝
スティーブ・ジョブズの愛読書らしいというのもあって、ヒンドゥーへの興味の中で読んでみた。が、あまりにも宗教色が強くて、ちょっときつい(奇跡とか神との出会いとかいう感じ)。キリスト教徒に対して、「ヒンドゥー教の教えとキリスト教の教えは本質において同じ」という思想の伝播を目的としている著者だけに、キリスト教徒受けする内容なのだろうと思う。



古代インドの神秘思想-初期ウパニシャッドの世界-
インドの宗教思想というものをいろいろ読んでいけば当然最後はウパニシャッド哲学。概要をつかむ面ではなかなか良い。



インド思想史
インド哲学の日本における権威が書いた本。ここまで読んできた本の内容が繋がって良い。



昭和16年夏の敗戦 新版
太平洋戦争の話で自分の中でよく分からないのは、どこかで引き返すことができたのかというタイミングです。
結局この本でも、戦争をシュミレートしたら負けることがわかっていたというだけでした。このとき戦争という選択をしなかったとしたらどういうことになっていたのか。国民の納得が得られず内戦状況になってしまったりとか、西欧の植民地になってしまったりとか。
そのあたりは触れてはならないということなのかもしれません。



福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会
アメリカのニュースを聞いているとちょこちょこ出てくる福音派。何かよく分かっていなかったのでいつも気持ち悪い感じがしていました。
アメリカの現代史における宗教の存在の大きさがとてもよくわかりました。



本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―
仏教の話を読んでいるうちに日本で仏教と呼ばれているものは、仏教というより日本の民族宗教(広い意味での神道)の一派に過ぎないのではないか。なんて思い出したところ、日本の民族宗教てなんだという当たりが分からなくなって読んでみた本。
大学の専修課程の後輩が書いた本のようなので、出てくる言葉に懐かしさがありました。



まれびとの歴史
大学の頃折口信夫という名前をよく聞いていたのでちょっとどんなもんかと思って読んでみた本。本というより小さな論文。



日本の思想
これも日本の民族宗教ってなんだというあたりの興味から。昔から日本の思想家評論家と呼ばれる人の本は避けていました。その避けていた理由を思い出したような本。
とにかくやたらに分かりにくい表現をしているが、大した事を言っていない(気がする)。あとがきで自分の本意が伝わっていないことについて苦情めいたことを書いていたが、こんな文章で伝わると思う方が・・・・。