ChatGPTと弁護士業務雑感


ChatGPTが話題になっています。
プログラムを調べる場合には、従来のWEB検索より大幅に便利な気がします。
では、弁護士業務への影響はどうでしょうか?



法律上の調べ物については、まだ、うまく動いているとはいえないようです。
将来改善していって、正答率が上がったとしても、たいていの場合は「専門家の保証」が必要とされる気がします。そういう点では、一般の人が法律相談をするという使い方の代替は難しいのかなと思います。
弁護士の調べ物では、あれって何条だったけ?とかあの最高裁の日付はなんてときにはWEB検索より便利な気がします(もっとも現状では回答はデタラメなので将来の改善に期待です)。
とはいえ、将来改善していくのかは、怪しいといえます。現状は、たくさんのプログラムなり法律情報があるので、それを学習してより正確な答えをだすことが期待できます。
ただ、そういう情報をWEB上で掲載するのは、名誉心なり親切心なり商売上の理由なり色々でしょうが、ChatGPTの学習材料にしかならないとなると、そういう情報を掲載する人が大幅に減少してしまう気がします。そうなると情報の精度が下がってしまうと思います。



文章作成補助については、うまく使えば役に立ちそうです。弁護士の業務上、裁判提出文書なり依頼者との連絡なりで、(法律家なりに)わかりやすい文章を書くことが要求されることが多いです。その結果、文章を作る作業にエネルギーを消耗することが多いです。ここでChatGPTに適当に書いてもらって、参考にするというのはなかなかよい使い方だと思います。
さらにいえば、打合せ→音声認識による文字起こし→AIによる文章化ということをすれば、かなりの業務が自動化されるかもしれません。



その結果、懸念されるのは、裁判上のやりとりでそういう文章が大量に出てくる事態です。現状でも、まとまりがなく長大な裁判文書を出してくる弁護士が少なからずいて、それを読んで対応するという大方無益な作業に多くの弁護士が消耗しています。となると、それをChatGPTにようやくしてもらうという誘惑は当然出てきます。
そしてこのような誘惑は当然裁判官にもあると思います。将来的には、弁護士は依頼者との打合せ内容を打合せ→音声認識による文字起こし→AIによる文章化して裁判所に提出。裁判所はそれをAIに要約してもらったもののみを読むなんてことになりかねない気もします。



等と色々と考えてしまうレベルでよくできていると思います。

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