今年読んだ本2020
子育ての大誤解 重要なのは親じゃない〔新版〕 上 下
これは,面白かったです。基本的に,親が子にどう接するかは,子の家庭外での性格に影響がないという主旨です。影響があるように見えるのは,遺伝で説明できるレベル(親が粗暴なふるまいをするから,それをまねて子も粗暴になるのではなく,粗暴さが遺伝しているだけということ)である。それを超えて影響があるという研究結果は,親からみた子の性格という調査方法をとっているので,家庭外の性格の説明はできない。
それなりに説得力を感じました。子育て中の人は,読むことをお勧めします,子供のためを思ってやっていることが実は無駄で,単に子供との関係を悪化させているだけかもしれません。
また,家庭裁判所に関係している法曹関係者も読むべきでしょう。家裁の制度の多くが根拠が喪失する可能性があります。
「子供のため」という金科玉条を見直す必要もありあそうです。
事実はなぜ人の意見を変えられないのか
この手の本は好きなので。面白かった記憶です。
でも,1年近く前で,似た本をたくさん読んでいるので,どこかどうだったかというと。おそらく血肉はなっていると思います。
休み時間の免疫学 第3版 (休み時間シリーズ)
2周読みました。医学関係の資格試験用の参考書のようです。免疫関係の本は応用編のようなものは何冊かよんでましたが,基本をしっかり押さえたく読みました。
おおかた免疫学の基本は分かった気がします。ちなみに,私は,司法試験や大学受験を含めて,この手の最低限のことを書いてある参考書で勉強するタイプなので,「こんな本読んで分かった気になるな」というわけでもないんです。
この後,調子に乗って,分子細胞免疫学 という本に挑戦しましたが,1割程度で挫折しました。うすい参考書に限ります。
座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
何かで貞観政要という言葉を聞いて,聞いたことがなかったので,軽く概要をつかみたくて読みました。まあ,聞いたことないだけのことはあったという感じです。
哲学と宗教全史
貞観政要の本を読んだときに,著者の書いている小ネタが意外に面白かったので,別の本を買ってみました。哲学史は学生の時にある程度わかっていたので,その復習やなつかしさを込めてという感じです。
逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想
小林一三は少し興味があったので。伝記にするか,自著にするか悩んで,後者に。自著だと,文章は読みにくいですが,当時の時代の雰囲気がつかめて,とても面白いです。
反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー
農耕生活は,狩猟よりひどい生活なのに,なぜ広がったのか,という話。
思い付きを書いている感じで,全体に説得力が乏しいです。著者の意見に不賛成なわけではないのですが,もう少し,反対意見を想定し,それに対する反論を書いてくれないと,断片的な情報からの思い付きを,書き連ねているような気がしてしまいます。
ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在
この手の本は何冊も読んでますが,世相柄,また買ってみました。
前半のほうが面白かったです。
一揆の原理
たまには日本史の本も読んでみるかという中で読んでみました。日本の文系学者の書くものは敬遠していたのですが,日本史ばかりはそれしか選択肢がないので。
小ネタレベルでは面白い部分もありました。
UPSTARTS
エアビーアンドビーとウーバーの物語です。いずれも日本では規制に阻まれて,存在感がうすいですが。
この手の本を読むと,ビジネス的なエネルギーが活性化するので,そういうことを期待して読んだのですが,だめでした。
著者は,ジェフベゾスの伝記を書いた人で,これはすごく面白かったので,期待していたのですが。
私の関心等が変化したのかもしれません。
LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界
ちょっと考えの穴でした。
人類は昔から不老長寿に興味があったのですから,これだけバイオテクノロジーが発達すれば,そういう研究も盛んになるということでした。当たり前です。
まだ,劇的に何かが分かったわけではないようですが,だいぶ手掛かりはつかめてきているようです。
自分自身,そろそろカウントダウンモードだったのですが,この本を読んで考えを変えました。とりあえず,可能性が見込まれる化学物質の大量摂取を始めています。
私をみて,若返っているようでしたら,読んでみることをお勧めします。