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2スト

日曜日, 6月 28th, 2020

内燃機関、つまりエンジンは、このところ、電気モータに押され気味です。
車の加速性能は、時速100kmまで何秒で達するか、という指標でみることが多いですが、電気自動車が優勢です。速い上に環境にもよい、しかも自動運転の制御も容易となると、内燃機関は分が悪いといえます。



先日、オフロードバイクの集まりがあり、川もどきの水たまりを渡ろうとしたところ、1台のバイクが水を吸ってしまい、動かなくなってしまいました。ところが、(その集団がツワモノだったこともありますが)、適当に分解したりネジを外したりして、水を吐き出させて、そのうち何事もなかったように動きだしました。電気モーターで、入るべきでないところに(泥)水が入ったらショートして焼けてしまったりして、なかなかこうはいかないようにも思います。
泥水かぶったりしても、適当に直していけるタフさは、内燃機関の強みといえるのでしょう。



オフロードバイクの世界では、いまだに2ストロークエンジン(2スト)が活躍しています。私が高校生の頃は、原付バイクの大半は2ストでしたし、250㏄くらいまでは2ストと4ストが混在していました。
今は、ほとんどのエンジンが4スト、つまり車にも搭載されている普通のエンジンです。2ストと4スト何が違うのか、というと、2拍子と4拍子、爆発がバンだとすると、エンジンのピストン運動で、
2スト バントン、バントン、バントン、バントン、バントン
4スト バントントントン、バントントントン、バントントントン
という感じです。爆発頻度が高いので、ハイパワーだけど、燃費が悪いということで、環境カルトの餌食になってしまったのです。
とはいえ、最近は2ストも直噴化したり、色々工夫して燃費もだいぶ良くなってきて、F1も将来は2ストになる、なんて噂がでる等、少しだけ復権の動きもあります。
燃費がよくなっても、白煙をモーモーと出すのは、相変わらずのようです。白煙の正体はオイルで、おそらくのところ、大気を汚染することもなく、なんとなく、そこら中にふり注いで、人間社会を潤滑するものと思われます。
もっとも、砂ぼこりにまみれた場所ならいざしらず、子供の立小便すら耐え難く感じる気難しい人々が構成する社会では、潤滑するどころか、火に油を注ぐことになりかねません。



私に近い世代では、2ストはいいね、という話はよくあります。私も、なぜか、オフロードバイクの猛練習をしていますが、2ストのおかげかな、と思うこともあります。何がよいのかというと、色々一家言あるのでしょうが、ひとつには音がよいのだろうと思います。
10代の頃に聞いていた曲の影響力は大きくて、好きな曲なんていうものは、10代の頃に聞いた曲のことが多いと言われています。以前、明治時代の日本を旅した外国人の本を読みましたが、当時の日本人は純邦楽のようなものが大好きで、西洋音楽を聴くと耐え難いという反応を示したというようなことが書いてありました。きっと10代の頃までに、そういった曲に慣れ親しんでいると、そういう風になるのだろうと思います。



高校のとき、バイクが欲しいというので頭がいっぱいで、そのときに輝いていたのが2ストと、4ストの超高回転4気筒エンジンでした。この2つのエンジンの音は、いまでも気が惹かれます。4ストの超回転4気筒エンジンもいつのまにかなくなってしまってます(古いものを、爆音を鳴らしながら走っている人もいて、多くの人は不愉快になるのでしょう)。



気が乗らないながらも、練習に行く。とりあえずエンジンをかけると、それまでの気分を忘れて。そんなことなのかもしれません。