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蚊と進化論

火曜日, 8月 27th, 2019

趣味の方向性が変わってから初めての夏
 ということで今年は蚊に刺されまくっています。
この10年で刺された分くらいを,今年だけで刺された気がします。



不愉快な思いをすると,頭は色々と理屈をひねり出します。
本を読んでいると,生物の現状を説明するために進化論が持ち出されます。
 例えば,キリンの首が長いのは,生存競争上,首が長いほうが有利な環境にあったから,首の短いキリンモドキが淘汰されて,今のキリンが生き残った云々というあたりです。
いかにも有利なイメージを抱きやすい特徴は,進化論で説明しやすいです。



では,蚊にさされやすいのも,同様でしょうか?
 人間が蚊に刺されるのは,生存競争上,蚊に刺されるほうが有利な環境にあったから,蚊にさされない人間モドキは淘汰されて,今の人間が生き残った
ということになりそうです。



蚊に刺されることが生存競争上,有利になること等ありえないか,というと理屈の上ではメリットをひねり出せます。
 たとえば,蚊が何らかの病原体を適度に媒介してくれるおかげで,蚊にさされる人間には抗体が生まれて,直接感染の場合に病気にならない,または軽度で済む蚊のワクチン効果!なんてものがあるかもしれません。



進化論は科学とはいえない。なぜなら,何でも進化論で説明できてしまうから,という話を聞いたことがありますが,上記の蚊のことを考えると,そういう気もしてきます。



それにしても人間の血を好む蚊は,人間より後に出てきたのでしょうか?それとも,それ以前は人間以外の血を好んで吸っていたのでしょうか?



なにより不思議なのは,蚊がわざわざ音を立てて飛んできたり,吸った後に腫れてかゆくなることです。
蚊の音が人間に聞こえるのは,蚊の音を聞くことができる人間が自然淘汰によって生き残ったのか?それとも,人間に聞こえる音で飛ぶ蚊が,自然淘汰を生き残ったのか?両方なのか?
蚊にさされた後にかゆくなる人間が自然淘汰によって生き残ったのか?それとも,人間をかゆくする蚊が自然淘汰によって生き残ったのか?両方なのか?



人間にとって,蚊の音を聞くことができることや,かゆくなることが,それほど生存競争上有利とは思えません。すくなくとも精神衛生上は不愉快なだけです。
蚊にとっても,ひそかに近づいて,刺したことにも気が付かれないほうが有利な気がします。
人間の皮膚に住み着いていると思われる,目に見えない程小さなダニの類はきっと,ひそかに血をすって関心ももたれずに,生活しているのではないかという気がします。



そのようなわけで,かゆくなるだけでなく,思考に混乱をもたらす蚊との格闘は,まだしばらく続きそうです。