弁護士法人と貢献の向き
金曜日, 4月 13th, 2018
このところ,他の弁護士法人の代表と情報交換をする機会が何度かありました。
弁護士法人という新しい制度が,普及期に入り様々な疑問点について情報交換の機運がでてきているのだろうと思います。
そのような情報交換をしていると,当法人のあり方も浮き彫りになってきます。
そのなかの一つが「貢献」という概念にありそうです。
多くの法人代表者にとって,
所属弁護士の弁護士法人に対する貢献を正当に評価する。
弁護士個人のことよりも弁護士法人の発展に対して貢献するよう動機づける。
といったことが重要な課題となっているようです。
そのような情報交換に参加する方は高潔な方々ですので,弁護士法人と代表者個人とは峻別するよう意識しています。その上で,代表個人を離れた弁護士法人の発展に貢献するようなあり方という考え方をしていきます。
法人組織の「経営者」としては当然の発想といえるかもしれません。
しかし,当事務所の運営の考えには,いまひとつなじみません。
当事務所の弁護士が当法人の発展に貢献したいと思ってくれることはありがたいですし,そう思っていて欲しいと思っています。
当事務所は補助金で運営されているわけではなく,依頼者の皆様からの弁護士報酬で運営されています。
ですから,個々の弁護士が金銭的に赤字になるような仕事量であれば困ります。
より多く売上げてくれれば事務所運営上,金銭的な制約が小さくなり,選択肢が増えることも確かです。
ですから,多く売上げてくれることは,法人運営の責任者としてはありがたいです。
でも,それに拍車をかけていくのが私の役割ではないような気がします。
逆に,当法人が,個々の弁護士に貢献していくことができるようにするのが私の役割といえます。
個々の弁護士がなりたいと思っている弁護士に成長するため,
弁護士としての能力を存分に発揮するため
何らかの分野の第一人者になっていくのを手助けするため
そういったことをするベストな場所が当事務所であるようにするにはどうすればよいか,という発想です。
私が弁護士に対して苦言を呈するとしても
法人への貢献が少ないという理由ではなく,弁護士としてのよりよい仕事をするための負のフィードバックとして行うのが基本的なスタンスです。
また事務スタッフについても,私の顔(法人全体への貢献)よりも,所属弁護士の顔(個々の弁護士の仕事への貢献)をみて仕事をするように気をつけています。
弁護士組織である以上,最終的な目的としては「依頼者の正当な利益を実現すること」ということです。
その手段として,法人組織の発展というのはいまひとつイメージがつかめません。
個々の弁護士は誠実に個々の事件に向き合いたい,よい弁護士でありたい,という強い気持ちをもっています。
ですから,その気持を気持ちよく発揮できる環境を整えていくということが,弁護士法人の大きな役割ではないかと思います。
こんなことを書いたのは,弁護士法人という新しい制度を試行錯誤する中で,モデルとして分かりやすくなじみのある企業経営の発想に準じたくなる誘惑が強いと思われるからです。
企業経営とは大きく異なったモデルに挑戦していく人が増えて,よりよい弁護士法人運営のあり方が形成されていった欲しいものだと思います。
弁護士法人という新しい制度が,普及期に入り様々な疑問点について情報交換の機運がでてきているのだろうと思います。
そのような情報交換をしていると,当法人のあり方も浮き彫りになってきます。
そのなかの一つが「貢献」という概念にありそうです。
多くの法人代表者にとって,
所属弁護士の弁護士法人に対する貢献を正当に評価する。
弁護士個人のことよりも弁護士法人の発展に対して貢献するよう動機づける。
といったことが重要な課題となっているようです。
そのような情報交換に参加する方は高潔な方々ですので,弁護士法人と代表者個人とは峻別するよう意識しています。その上で,代表個人を離れた弁護士法人の発展に貢献するようなあり方という考え方をしていきます。
法人組織の「経営者」としては当然の発想といえるかもしれません。
しかし,当事務所の運営の考えには,いまひとつなじみません。
当事務所の弁護士が当法人の発展に貢献したいと思ってくれることはありがたいですし,そう思っていて欲しいと思っています。
当事務所は補助金で運営されているわけではなく,依頼者の皆様からの弁護士報酬で運営されています。
ですから,個々の弁護士が金銭的に赤字になるような仕事量であれば困ります。
より多く売上げてくれれば事務所運営上,金銭的な制約が小さくなり,選択肢が増えることも確かです。
ですから,多く売上げてくれることは,法人運営の責任者としてはありがたいです。
でも,それに拍車をかけていくのが私の役割ではないような気がします。
逆に,当法人が,個々の弁護士に貢献していくことができるようにするのが私の役割といえます。
個々の弁護士がなりたいと思っている弁護士に成長するため,
弁護士としての能力を存分に発揮するため
何らかの分野の第一人者になっていくのを手助けするため
そういったことをするベストな場所が当事務所であるようにするにはどうすればよいか,という発想です。
私が弁護士に対して苦言を呈するとしても
法人への貢献が少ないという理由ではなく,弁護士としてのよりよい仕事をするための負のフィードバックとして行うのが基本的なスタンスです。
また事務スタッフについても,私の顔(法人全体への貢献)よりも,所属弁護士の顔(個々の弁護士の仕事への貢献)をみて仕事をするように気をつけています。
弁護士組織である以上,最終的な目的としては「依頼者の正当な利益を実現すること」ということです。
その手段として,法人組織の発展というのはいまひとつイメージがつかめません。
個々の弁護士は誠実に個々の事件に向き合いたい,よい弁護士でありたい,という強い気持ちをもっています。
ですから,その気持を気持ちよく発揮できる環境を整えていくということが,弁護士法人の大きな役割ではないかと思います。
こんなことを書いたのは,弁護士法人という新しい制度を試行錯誤する中で,モデルとして分かりやすくなじみのある企業経営の発想に準じたくなる誘惑が強いと思われるからです。
企業経営とは大きく異なったモデルに挑戦していく人が増えて,よりよい弁護士法人運営のあり方が形成されていった欲しいものだと思います。