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夫婦別姓問題と最高裁

木曜日, 12月 10th, 2015
12月16日に最高裁判所が夫婦別姓を定めた民法の規定の合憲性について判断するようです。

夫婦別姓についての賛否はさておき,この問題について最高裁が違憲と判断することについては,かなり違和感があります。

日本は民主主義国家です。ですから,国民代表が構成する国会だけが法律を制定するのが大原則です。

ただ,民主主義がうまく機能しない場合,つまり多数決によって少数者の人権が侵害されているような場合や,投票価値の平等のように国会そのもの正当性が問われるような例外的な場合に,裁判所が違憲と判断して少数者を救って民主主義を補うということです。
裁判官は選挙を経ていないワケですから,民主主義が機能しない例外的な場合にだけ権限を行使するようにしないと,そもそも民主主義国家とはいえなくなってしまいます。

夫婦別姓の問題は,少数者の人権の問題ではありません。夫婦同姓の強制によって,女性側が事実上不利益を被っているという社会的現実があるとしても,女性は社会における多数派です。納得いかなければ民主主義の課程の中で是正すべき問題です。代表制民主主義とか,政党政治とかそういった枠組みの中で,すすみそうで進まない問題について,裁判所を利用して決めてしまえ,なんてことになったら民主主義国家の立法体制とはいえなくなります。

仮に,今回最高裁判所が違憲判決をだそうものなら,国会で多数をとれない勢力が,自分たちの政策に反する法律の当否をどんどん裁判所に持ち込み,最高裁の裁判官のうち8人を納得させることができれば政策を実現できるなんてことにもなりかねません。

今回の件にについては,最高裁判所には謙抑的な判断がのぞまれます。