Archive for 4月, 2014

貸金業規制緩和検討

木曜日, 4月 24th, 2014
本日の朝日新聞の記事によると自民党は
借入金の限度を3分の1とする総量規制の緩和

上限金利を20%~29.2%に引き上げることを検討するとのことです。
ネット上で朝日の記事がみあたらないので、日経

総量規制や金利規制ができたときは、
当事務所も多重債務で困っている人がたくさん来ていました。

多重債務問題といっても、弁護士に依頼して債務整理すれば
ほとんどの場合、生活の再建は可能でした。
今の破産制度は、財産のない債務者には、あまりデメリットのない制度ですので
高利貸しと、破産制度というところである意味バランスがとれている印象もありました。
まれに、弁護士がついても、再建が困難な事案はサラ金の事案ではなく
保証人が問題となる、商工ローンか、逆に公的な金融機関がからむ事案でした。

逆に、サラ金というのは、どうにもお金に困ったときに
グタグタ言わずにお金を貸してくれるという面では
社会のセーフティネットの一環として機能しているのではないか?
サラ金がお金を貸してくれなくなると
盗みや強盗を働く人が増えたり、ヤミ金融がはびこるのではないか。

そんなわけで、総量規制や金利規制については、正直
「本当にそこまでしてしまって大丈夫かなあ」と思っていました。

以前に、派遣切りだなんだと言って騒いで、工場への派遣が禁止された折には
多重債務で苦しむ人の一時的な働きの場が奪われ、生活再建の選択肢がせばまったことを
実感しましたので、同様の逆効果が生まれるような気がしていました。

でも、総量規制や金利制限については、その後も犯罪が増えたという話も聞きませんし
ヤミ金が増えた様子もありません。

逆に、多重債務で相談する人は、以前に比べると大幅に減少し、
社会問題としての多重債務問題はおおむね解決しているように思えます。
(多重債務問題解決には、法曹界のアニマルスピリットも大いに貢献したようですが)

つまり総量規制と金利制限という政策は、成功しているように思えます。

そんなわけで、見直しの検討というのは、いまひとつ、ピンとこない話です。

 

援軍は来ない

土曜日, 4月 12th, 2014
どうにもならない戦力差の中で
なんとか闘い続け、
唯一の希望は、もう少しで現れる強力な援軍。
しかし、援軍が来ないことが決まりました。

今年は、1週間に1回、小川でしか勝てません。
そして、他の先発の中で通用する人が出てくるのか
リリーフ陣がもう少しましになるのか
期待は裏切られ続けたままま、負けがかさんでいきます。

でも、館山が戻ってくれば、週に2回は勝ちを計算できる。
そうすれば、なんとか勝負になるかも、と期待してました。
しかし、館山は今季絶望とのことで、今シーズンでの援軍にはなりません。

穴の開いたバケツに水をいれるような試合が今後も続きそうです。
とにかく、バケツに水を入れるペースを早める以外にはありません。

例年だと、そろそろ、バレンティンが大爆発し始める季節です。

stap

金曜日, 4月 11th, 2014
STAP細胞が世の中を騒がせています。

STAP細胞の真偽によって,今の騒動の位置づけも
大きく変わってくるのでしょう。
怪しげな騒動事件なのか,
世紀の発見に伴うエピソードなのか。

哲学というのは,ある意味科学・学問になる前段階の
諸々の知的な営み,という面があります。
ある人の考えを,検証・反証し共有できる状況になって
科学なり学問なりになります。
たとえば,カントの認識論は,そういう検証ができないままですので
カントに対する尊敬に基づいて,その思想を研究することはできても
認識論という学問にはなっていません。だから哲学です。
STAPの有無ということは,哲学・思想ということではなく,
他の人も再現できて検証できるか,ということで真偽を明らかにできるはずです。

そういう点では,小保方氏の会見は,STAPの真偽において何ら意味はないはず。
ですが,諸々で,小保方氏に同情的な意見も多く耳にします
その多くは,STAPも真実なのではないかとの印象をほのめかしています。
これは,弁護士の立場からすると興味深い。
やはり,どのような見た目・属性の人が,どのように発言するかによって
本来,無関係なところについて,心証が形成されるというのが人間のクセなのでしょう。
仮に,落合博満氏のような人が,お前らに言ってもどうせわからないだろうけど
という態度で,概念的にはほぼ同内容のことを伝えたとしても
STAPは真実なのではないか,と思わせることはできなかったように思います。

まあ,科学的に立証できなくても,これだけ多くの人が信じている状況であれば
商業的には価値がありそうです。
リケンのSTAPスープとか,健康補助食品として生き残るのかも知れません。

 

民主主義不適格

木曜日, 4月 10th, 2014
委任不適格とでもいうことがあります。

弁護士と依頼者との間の契約は委任契約と言います。
モノの売り買いのように一回きりではなく継続しますし,
依頼した弁護士の裁量に,ある程度まかせることになりますので
弁護士と依頼者との信頼関係がないと成り立ちません。

マレですが,相談者の中に,弁護士というもの(場合によっては人間全般)
について不信感が強くて,とてもじゃないが,
信頼して任せるなんてできないという方がいます。
そういう場合は,委任契約を締結することはできないので
交渉であれば,裁判であれば自分ですることをお勧めすることになります。
これを委任不適格と呼びます(私が呼んでいるだけで学問用語ではないです)。

さて,最近の安部政権の動きについて,
弁護士会に属しているせいか,朝日新聞を読んでいるせいか
何かよからぬことを企んでいて,日本がとんでもないことになる
とでもいう論調にたびたびふれます。
安部政権がなにをしようが,いずれは選挙があるわけだし,
将来,仮に戦争だなんだという場合も民主主義の枠組みの中できまるはずです。
そして,批判の対象になっている集団的自衛権だなんだということは
他の民主主義の先進国では当たり前のことで,別に邪悪な国家のマネゴト
をしようとしてるわけではありません。
結局のところ,批判の根っこにあるのは,他の欧米諸国と違い
日本の民主主義は機能しないに違いない
という民主主義に対する不信なのだろうと思います。

民衆の多数決に信頼して任せるなんて,とんでもない。
ろくでもなく,おそろしいことになる。
別にこれは,珍しい考えではなく,
そういう考えに基づいて一党独裁を行っている国も多くあります。

まあ,世の中全体のことを真剣に考えて思い詰めれば詰めるほど
おかしな考えにとりつかれて,先鋭化するというのが人間の悲しいサガですので,
なんともいいようもありませんが。

 
 

ベゾス2

木曜日, 4月 3rd, 2014
アマゾン創業者のジェフベゾスのことを書いた本について
前回,書きましたが,よくよく考えてみると,
本の内容を素直に受け止めすぎていたようです。

ジェフベゾスが,私が出会った人達とは
全く次元が違うくらい優れた人である
という結論はおそらく間違いです。
そうであるかのように,著者が書いている
というのが正解と思います。

少し前に,マッキンゼーの歴史を書いた本を読みました。
マッキンゼーのコンサルタントがいかに優秀で意欲的か
がこれでもかと書かれた中で
その長い歴史の中でも尋常でなく優秀だったというのが
大前研一さんです。
そんなニュアンスの中で,アメリカ人著者が描く優秀な人々というのは
理解するのが相当なのだろうと思います。

おそらくはベゾス自身は本の中のベゾスのように
尋常なく頭がよく,知識も豊富で,
周囲がバカにみえて仕方がない中で
その能力を遺憾なく発揮し,迷いなく常識外れな行動を断行する
なんて意識はなく
周りのバカだけども自分のバカさ加減にも苛立ちながら
生き残るためにはそれなりにに過酷と思える決断をせざるをえず
(周りも幸福にするだけの妙案までは見つけられない自分に苛立ちながら)
その結果なんとか切り抜けてきたと思っている
のではないか
だから,それをよく知る妻の著書に対するコメントが辛口だったのではないか
という気がしてきています。