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失敗の効用

月曜日, 8月 27th, 2012
日経新聞で大学の特集をしていて
博士課程に人が集まらなくて
研究が困難になっているというようなことが
書いてありました。

そういえば,年始に研究者をしている友人が
「このままでは成り立たなくなる」
なんて話をしていたのを思い出しました。
そのときは,なんだかよく分かりませんでしたが,
博士課程に行っても人生を棒に振るだけであれば
まともな人間は,当然集まらない。
その結果,博士課程に進む人をあてにして
成り立っていた業界の仕組みが壊れてきている
というようなことのようです。

大学の研究者でのポスドク問題は
法曹界の一歩先を行っている気がするので,
これは,法曹界の未来の予言しているような
気もします。

今の業界状況,法科大学院の志願者激減の
状況を前提に,司法試験のレベルを維持すれば
おそらく合格者は数百人程度になるのではないか?

そうすると,弁護士を採用したくても採用できず
ということもあるかも知れません。

まあ,そうしたら司法修習後,企業に就職して,それなりに
人生経験積んだ人が,弁護士になって
かえってよいかも。

さて,それ以外に,よい面があるかもしれません。
今までの,司法試験→弁護士ルートは,
一旦社会に出た,社会不適応型エリートの再チャレンジという
性格がありました。

私自身もそうですが,会社に入ってみたものの
サラリーマンは無理だ!
と思ったときに,一番,容易で魅力的なものが
弁護士転身だったわけです。

でも,もう司法試験に逃げられません。
どうなるか?
頑張って起業して会社を作ってください。

今の社会の問題のひとつは,
新しい起業が育っていかないこと
その一つの要因は,東大あたりを出た人間が
起業をするという人生に魅力を感じていないこと
があると思います。

でも,もう
大学院に戻って研究者になっても
司法試験に合格して弁護士になっても
食べてはいけません。

一つ間違えば,エリートニート量産になりますが,
何とか良い方向に向いて欲しいものです。