Archive for 6月, 2012

水曜日, 6月 27th, 2012
この時期になると、色々株主総会のお知らせだとか、報告だとか
がワラワラと自宅に届きます。

自分の買った株の大半が、今より平均株価が倍くらいだった頃
に購入したもので、巨額の含み損を抱えて、
塩漬け状況になっているからではありませんが、

株をしっかり運用すれば、それなりに儲かると
考えている人が、沢山いることには、驚きを感じます。

以前に読んだ記事では、株に投資する投資信託のうち
インデックスファンドより運用成績が良かったのは
3割だか4割だったとのことです。

インデックスファンドというのは、平均株価に応じて
機械的に購入するものです。
そこに工夫や研究の余地はありません。

3割だか4割の残りがどうだったかの記載はありませんが、
どうせ
4割インデックスファンドより運用良
2割インデックスファンドとほぼ同等
4割インデックスファンドより運用悪
というあたりだろうと推測されます。

インデックスファンド以外のものは
当然個別銘柄を研究して購入するのでしょうから、
インデックスファンドと同程度の運用成績では
研究するだけ無駄ですし、
それより運用成績が悪いのでは話になりません。

わざと運用成績を落としているということもないでしょうから、
個別に見ると、色々工夫してよい運用成績をあげているように
みえることがあっても、
全体としてみれば、機械的に購入するのとトントン
というのが実情だろうと思います。

こういう事情を考慮すると、うまくいっているのは
偶然であると考えざるを得ない気がします。

もちろん、投資信託には、プロが運用するから
素人運用よりうまくいく
という以外にもメリットが沢山あるので、
意味がないということは、もちろんないです。

ハードワーク

火曜日, 6月 19th, 2012
ユニクロの柳井氏と並ぶ、現代の名経営者だと思う
日本電産の永守重信氏の
『「人を動かす人」になれ!-すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』
を読みすすめています。

もともと永守さんには興味があったのですが、なんとなくアマゾンで
調べていたら本を書いていたので買ってみました。
軽めの本なので、遅読の私でも、いましばらくで、読み終わると思います。

タイトルにもある、
すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
というのは、気合と執念がでる、よい言葉だと思います。

日本電産は徹底的にハードワークの文化のようです。
はじめに色々と叩き込むようです。
で、こういうヤツは駄目だと色々あるのですが、
私は、真っ先にダメということになりそうです。

そうそう、こうやって色々説教受けるうちに、
ドンドン気力が失われて、
居心地が悪くなって、
逃げたくなって、自分に自信がなくなって
さらにやる気のなさを、説教されて

と過去に何度か、あったパターンを思い出します。

成功したければ人の2倍しろ
という発想は、確かに、理屈ではそうなんです。
たいていのところ、才能の差よりも、
努力の差の方が、はるかに大きい。

でも、努力できるのも才能のうち
という負け犬の遠吠えも、
強い実感があります。

私自身は、
東京大学に入るのも
昔の司法試験に合格するのも
多分、そのときの合格者の中で
もっとも少ない勉強量で、乗り越えている可能性があります。

でも、どのように勉強するべきか
と考えることに当てた時間は、
おそらく一番多かったと思います。

ある種の努力のワナというものがあって、
今の努力ペースでは足りないという事実がでたときに
「もっと努力しなくては」という決意は
失敗に終わる可能性が高いと思います。

今程度の努力しか出来ない中で、
もっとも成功確率を高めるには
どうすればよいのか?
と考えるのが私のやり方なんだと思います。

既成の組織で、そういうことを唱えると
先輩と称する人たちから
屁理屈言うな、とばかりの説教攻撃を受けます。

でも、今は、幸いそういう呪縛からは逃れています。

そんなわけで、私が責任を持つ現在の組織については、
事務所の人が、プライベート等とのバランスをしっかりとれる
枠内でもっとも高い仕事上の成果をおさめるには、どうすればよいのか?
と考えなければならん、と思っています。

ということで、永守流のうち、ハードワークの文化については、
少しなじめないのですが、それ以外は、さすがと思う
記述が多々あり、楽しく読んでいます。

 
 

 

清盛 良くなってきました。

月曜日, 6月 18th, 2012
大河ドラマを見ていますが,清盛が良くなってきました。

当初から,中井貴一の平忠盛は,とても良かったのですが,
主人公については,いまひとつ,印象がつかみ切れませんでした。

でも,地位にともなって,肝が据わってきて,という最近の状況をみると
それ以前の,何とも言えない青臭さ,が生きてきている気がします。

清盛が甘ったれたことを抜かす重盛をたたき出すあたりは,なかなかです。
大河ドラマの主人公は,青臭いきれい事を言う主人公
のことが多く,強い違和感が残りることが多いです。

そういう大河ドラマ的なきれい事を,蹴り飛ばして睨み付けるようで,
今までとは違うぞ,という意気込みを感じます。

一時的に,毅然としたけど,やはり反省して優しい人になりましたとさ。
とか
そういう態度がたたって,平家は滅んだとさ。
という展開にならないことを祈っています。

分業の果て

水曜日, 6月 13th, 2012
ふと、コンパクトなデジカメが欲しくなり、いろいろ調べて買いました。
デジカメも、センサーは○○製、レンズは○○製と色々なメーカーが
作ったものを組み合わせて作るのが、通常のようです。

パソコンも、CPUだ、メモリだ、ハードディスクだ液晶だOSだと色々なメーカーが
作ったものを組み合わせて作ります。
携帯電話もそうでしょう。

車も、トヨタや日産が作るのは、ボディーとエンジンで
タイヤや、オートマ機構やバッテリー等は、別のメーカー製が通常で、
最近は、エンジンも別から調達ということも、増えてきているようです。

そんなわけで、工業製品については、合理化の果てに、
部品ごとの極端な分業化が進んで、
その結果、高性能で低価格なものが
手に入るようになっているようです。

サービス業なんかは、どうなのかと思いますが、
以前読んだサイゼリアの仕組みは、
かなりすごいものがありました。
もっとも、他社との分業は、工業製品ほどは
進んではいないようです。

さて、弁護士業も、そんな風にできるのでしょうか?
おそらくは何らかの標準化が必要なのでしょう。
それぞれ別のメーカーが作った部品が協同するためには
その部品間のコミュニケーションが標準化されている必要があります。

当事務所でも、色々試みていはいますが、まだ先はみえない状況です。
大規模な債務整理中心の事務所は、ある種の標準化や
大量処理が行われているようです。
でも、これは、工業製品で言うと、せいぜいフォードによる
流れ作業による大量生産というレベルのことだと思います。
現在の、工業製品の分業で行われているのは、
各分業項目を担当するのは、どれも世界でトップレベルの
メーカーです。
これを弁護士仕事に当てはめると、法律相談、書面作成、相手との交渉
裁判所の説得といった、各段階について、トップレベルの
実力の持ち主が担当するということになるのかとも思います。

医療現場での分業は、よく分かりませんが、麻酔だ執刀だと
分業しているのは、このイメージに近いのかもしれません。

まあ、そう簡単にいく話ではありませんが、色々、挑戦していきたいと思っています。

またもやアミガサタケ

火曜日, 6月 12th, 2012
先日、山小屋に行き、散歩をしていると、道端にたくさんのアミガタサタケ
を発見しました。
例年、1本か2本なのですが、今年は両手にいっぱいのアミガサタケです。

また、ワラビも沢山、出てきていたので、おひたしにしました。

ということを書こうと思っていましたが、前にも書いたような気がします。
さかのぼってみると、去年も、その前も、ワラビとアミガサタケの話題を
書いています。

例年この時期は、山の恵みに感激しているということのようです。

同時に、よく2年も書いているなあ、と自分ながら感心しました。

この時期の山の中は、ちょうどズミの花が満開で(ということで、
今年はズミの実も沢山とれることを期待)、
ハルゼミのギェー、ギェー、ゲコゲコという鳴き声がやかましく、
秋と並んで、もっとも好きな季節です。

弁護士費用と利益相反

木曜日, 6月 7th, 2012
弁護士費用を,どのような料金体系にするのか?
とても悩ましくて,とても大事な問題です。

変な料金体系だと,弁護士と依頼者との
利益相反を起しかねないからです。
弁護士費用は,依頼者と弁護士の利益が
一致するよう定めないと,
長期的には,弁護士のモラルが低下するリスクがあります。

たとえば,100万円の請求をする事件があって,
交渉をしていて,相手が100万円を支払うと言ったとします。
でも,裁判をすれば,遅延損害金を含めて105万円回収できるとします。

でも,裁判をすると弁護士にとっては,とても手間がかかり,
仮に増える5万円分全額報酬でもらっても,まかなえないのが通常です。

このときに,裁判になっても追加料金なしという料金体系だと
依頼者にとっては,追加料金なしで5万円増額するので,依頼者にとっては
裁判にするのがベストな選択になります。
でも,弁護士はひたすら手間ばかりかかってしまうのに報酬の増額がない。
そうすると,依頼者には不利だけど,何とか交渉で終わるよう
依頼者を説得しようという誘惑にかられます。
これは,弁護士と依頼者の利益が相反している状況だと思います。

もし,訴訟の場合は追加費用20万円として,料金設定されている場合は
依頼者に対しては,訴訟をすると5万円余分に回収できるが,そのために
20万円弁護士費用が追加でかかるから,交渉でまとめたほうが得だ
と邪心なく,話すことができます。
仮に,依頼者が,損得の問題でなく,裁判で決着をつけたいから
裁判をしてくれと言ったとしても,正当な対価として弁護士費用20万円を追加で
受領するので,弁護士としては,悪い話ではありません。
つまり,依頼者の希望に添う選択に向けて,弁護士は全力で仕事をしやすくなります。

基本的には,弁護士費用は,弁護士側の手間に応じて,しっかり設定することで
弁護士は真に依頼者の立場にそって,話をしやすくなるのではないかと思います。

もちろん,あまり厳密に,手続きや手間ごとに料金体系を設定すると,
料金が分かりにくくなり,依頼者に心理的なストレスを掛けることになりかねません。

そこで,事案の類型によっては,シンプルな料金体系を優先すべき場合もあると思います。

もちろん,そのほかにも,値段設定をいくらにするのかという重大問題もありますが,
価格設定・料金体系の問題は常に検討を要する難しい問題です。