Archive for 2月, 2012

新聞の文章

木曜日, 2月 23rd, 2012
弁護士は,弁護士会という団体に所属しており,世の常として
その団体内部の仕事という面倒ごとが割り振られています。
(これを,業界用語で会務といいます)。

私は,弁護士会新聞を作る仕事をしています。

だいたい人に原稿を依頼して,その締め切り管理をしていればよいのですが,
まれに取材記事のようなものを書かざるを得なくなることもあります。

そうすると,世の中の新聞の文章がいかに良くできているか思い知ります。
やはり,新聞の文章はプロの文章です。
なかなかあんな風に,簡潔で読みやすく書くことは難しいです。

弁護士仕事で書く文章とは要求されていることが違うので,
弁護士仕事での文章を新聞調にすべきとは思いませんが,
文章を書く難易度で言うと,新聞の記事の文章を書けるようになる
能力というのは,弁護士の文章力よりはるかに高い水準にある気がします。

もっとも,一度そういう目でみると,新聞による文章力のレベルの差は
結構あることも分かります。

そんな中,今回はいわゆる朝日新聞の天声人語に相当する欄を
弁護士会新聞に書かなければならないことになったようです。

以前にも一度,その欄を担当して書いたことがあったのですが,
一度,ああいうものを書くと,いかに天声人語のレベルが高いか
気づかされます。

まあ,あれはマスコミの中でも,おそらくトップクラスの人がいる朝日新聞の
しかもトップクラスの能力を持つ人が担当する欄でしょうから
レベルが高いのは当然なのでしょうが,あれはすごいです。

私は,基本的に強気で,どちらかというと大口を言う方ですが,
今回,天声人語を超えるレベルのものを書く自信は全くありません。

さて,何を書いたものやら。

 
 

カードがいつの間にか自動リボ払いに!?

金曜日, 2月 17th, 2012
ETC用にJCBカードを使っているのですが,
なんとそれが自動リボ払いになっていて,
いつの間にか10万円も借り入れをしていることに気付きました。

今まで毎月送られてくる明細書は,なんとなく見て,すぐ捨てていました。
最近送られてきた明細も支払額6,000円程度なので,
最初は何とも思いませんでした。

しかし,ETCの利用履歴を見たところ,何かおかしい。
この月は,もっとETCを使っている気がしたのです。

そこで初めて裏面の支払残高情報を見て,
10万円の借り入れがあること,
今回の支払6000円のうち5000円が定額の支払で,
1000円が手数料(金利)だということに気付きました。
こんなことではいつまでも手数料を支払い続けなければならないではないですか!

ということは,カード申し込み時に,いつの間にか自分でリボを選択したのでしょうか。
でも,月々金利を払っていたなんて,恥ずかしながら全く認識していませんでした。

こんな間抜けな話は自分だけかと思ったら,
なんと勝間和代さんも「ショック。」だったらしいですし,
国民生活センターも注意を呼びかけていました。

楽天KCカードが
なんと最初から「自動リボ払い設定」になっていました。ショック。(facebook勝間和代


利用の前によく確認を!クレジットカードのリボルビング払い(国民生活センター)

みなさんも,無意識に自動リボ払いを利用し,
リボ手数料を支払っていた,なんてことのないよう,ご注意下さい。

 

自己責任で遊ばせてくれ

木曜日, 2月 16th, 2012
昨日だったか,NHKの朝のニュースで,スキー場のコース外を滑る人がいて,
迷惑で怪しからんという話が出ていました。

「勝手にさせてやれ」と思います。
スキーは本来,ゲレンデでするものではなく,自然の山の中で命の危険を
伴いながらするものです。

そういうことを若者がしたがるのは,人間としてごく自然な行為だし,
望ましい行為だろうと思います。

助けに行かなきゃならないので迷惑だ,とか言いますが,
勝手にしていることに本来助けに行く義務はないはずなのです。
情として助けに行ったとしても,しっかり費用を請求すればよい話です。
山岳救助と同じです。

変なところをすべると,雪崩がおきるということですが,
それは別問題です
。そういうところは別の刺激(鹿や風や気候の変化)でも雪崩れかねないでしょうし,
そういうところだけ,進入禁止を明確にすればよい話です。

ところが・・・・
実際に勝手にコース外を滑って事故が起こると訴える奴がいるんです。
訴えられるだけでスキー場としては
かなり迷惑しますから,とりあえず無難に・・ということになります。

私も若い頃は,山でスキーをしたり,バイクで未舗装路を走ったり
色々と危険を楽しみました。

でも,バイクで林道を進むと,ゲートが閉まっていることが多い。
誰も使わない林道,せめてバイクだ走ってその効用を発揮させてやろうと
思っているのに,無用の長物を助長しています。
きっと,勝手に進入して事故でも起こされたら・・・という配慮でもあるに違いない
と思いました。

近所の空き地や林のように自分が子供の頃遊べたような場所も,
最近はほとんどフェンスが立っています。

諸悪の根源は・・・そう,弁護士です。
あいつらが訴えるから,世の中がおかしくなるんだ
と思っていました。
で,弁護士になろうと思ったときも,そういう奴らから訴えられた場合に
なんとかしっかり訴えを退けられれば,なんて 考えていました。

で,現実に弁護士になると・
そう,損害賠償を請求する根拠となる法律が曖昧。
つまり過失があれば,損害賠償できるということで
過失の内容は個別の場合に一切明確にされていない。
最終的に裁判官が,「・・・・すべき注意義務があった」と
事後的に取り決めるという仕組みなのです。

そうすると,現行の法律を前提にする限り
訴えても認められる可能性が十分ある。
そうすると,野山を閉鎖したくなるのも十分理由があるし,
被害が出た場合に,訴えることにも理由がある。

そう,法律が悪いのです。
これは,立法的に解決するしかありません。
近所の空き地であれ,雪山であれ,林道であれ
好き勝手に遊びたい人のために,自然を解放した場合に
所有者や管理者の責任を免責する法律を作る
のがきっと早道なのだろうと思います。

まあ,いつも人のせいにしているようで恐縮ですが,
若者が自己責任で自然の危険の中で遊べるような世の中になってほしいものです。

法律事務所の名前

水曜日, 2月 8th, 2012
法律事務所というのは、弁護士の事務所です。
弁護士以外の事務所は、法律事務所は名乗れません。
よくみると「法務」事務所だったりします。

さて、法律事務所の名前ですが、たいてい
①人の名前
②場所の名前
③理念をあらわすようなカタカナの名前
のどれかです。

昔は、①や②が圧倒的で、どちらかというと
普通の事務所は人の名前だったようです。

人の名前だからといって個人事務所的傾向が強いわけではなく、
日本を代表する企業法務の大事務所も、たいてい人の名前がついています。

③のカタカナ名(場合によってはアルファベット)は、最近増えてきた名前です。
しかもその名前は聞きなれない言葉で、その意味について解説をつけること
が多いようです。

さて、当事務所ですが、・・・
実は、解説不要の名前にしたい、というのがありましたので、
本来は、マイタウンとは云々、というのはおかしいのですが、
タウンというのは、シティでなくタウン
つまり、都会・ビジネス街ではなく、ちいさな町、住宅街の事務所だ
というのと
かっこよさげで、薀蓄や解説が必要な名前は、
敷居が高くなるとの表裏一体の気がしたので、
マイタウンということです。

ところで、総合(又は綜合)が入っている事務所と
入っていない事務所がありますが、
ほとんど意味はないです。
総合をいれると、立派そうに見えるとか
取り扱い分野が広そうに見えると考えた人は
事務所名に総合を入れ、
総合が入ると言うのも書くのも長くなり面倒と
思ったら、入れないというレベルの問題です。

代理(契約書の署名・押印)

火曜日, 2月 7th, 2012
署名・押印は自分でするのが,標準型ですが,
人にやってもらう場合もあります。

典型的なのは,代理です。
かわりに契約してもらうということです。
弁護士の民事の仕事は,大半がこの
代理の仕事です。
代理して,契約し,
代理して,交渉し
代理して,裁判する
という感じです。

代理で契約する場合は,
代理人が署名し押印します。

通常,代理人は自分で選びますが,
勝手に決まることもあります。

典型が,親権です。
親権者は,法定代理人として,
子供の代わりに契約できます。

また,成年後見人も,本人が選ぶわけではなく
裁判所が選びます。

こういう場合は,本人のあずかりしらぬところで
代理人が契約しても,本人はその契約の
責任を負います。

似たものに,代表というものがあります。
会社等の法人は自分で署名できないから,
代わりに代表権がある代表取締役等が
サインします。

ですから,法人のサインは

○○会社 印

では正確でなく

○○会社
代表取締役 某 印

ということになっているのです。

 
 

最高裁がピンク・レディーのパブリシティ権について判断

木曜日, 2月 2nd, 2012
ピンク・レディー敗訴確定
「著名人は無断使用も受忍すべき場合ある」

「女性自身」のダイエット記事に写真を使われた
(元?)ピンク・レディーが発行元を訴えた裁判で,
最高裁が本日上告を棄却し,ピンク・レディーの敗訴が確定したそうです。

よくある裁判かと思ったので見過ごしそうになったのですが,
判決を読んだら,
パブリシティ権(著名人の名声,肖像などを保護する権利)とは何か,
どのように利用した場合に違法になるかが判断されています。

そうすると,パブリシティ権が初めて認められた,
記念すべき最高裁判例ということになるのかもしれません。

ちなみに,最高裁の判断枠組みで違法になるのは,
人を引き付ける力のある者の顔や名前を,
商品広告に使用するなどした場合に限られるので,
違法行為になる場合はやや限られそうです。
表現の自由に配慮した結果なのでしょう。
パブリシティ権に興味を持たれた方は,
いろいろ調べてみると
「おニャン子クラブ事件」
「加勢大周事件」
「ブブカスペシャル7事件」
など,気になる事件名がたくさん見つかって面白いと思います。

なお,このニュースが過去には
振付の著作権の問題として報道されたこともあるようなのですが
(ラッキイ池田氏もこの件にコメントしているようです),
実際の裁判では振付の著作権は争点になっていない筈です。
振付に著作権があることは法律に規定されていますし,
ピンク・レディーにも権利が無いわけではないのでしょうが,
本題から外れるので今日の所はここまでにします。