契約書の日付

契約書にはたいてい日付欄があります。
契約書の題名に比べて,日付は大事です。

契約書等は,「ある約束をした」という 出来事を
書面で形で残しておくものです。
そして,法律家,特に裁判官の思考過程としては,
出来事は日付で把握します。
ですから,何月何日に,これこれの約束をした。
という事実であれば,出来事して意味がありますが,
日付がなく,「これこれの約束をした」というのは
裁判官の思考過程に乗りにくくなります。
そんなわけで,日付は法律上の書面
→つまり,最終的には裁判で意味がある書面
として形を整える上では,日付はとても重要になります。

さらに,契約の特定という点でも,日付は重要になります。
お菓子を3つ買う契約をして,そのあと2つ買う契約をして
そのあとまた,3つ買う契約をしたときに,
初めの契約と3つめの契約を区別するには,通常
何月何日付契約と何月何日付契約というように区別します。
それぞれ,日付がない契約書だと,区別しにくくなります。

また,同じ契約について,複数の書面があって内容が矛盾している場合,
あとで作成された書面で,前の書面の内容を取り消したと考えることが
多いです。
そうすると,書面の前後関係が大事になって,やはり日付が大事になります。

日付だけでなく,時間もあったほうがよいのでは?
と思うかも知れませんが,裁判で問題となるような契約を
1日に2つもすることは通常ないので,日付だけで通常は大丈夫です。
でも,通常ではない場合で,1日に複数の似たような契約をする場合は
日付も入れた方がよいかも知れません。

契約とは違いますが,破産の決定のように,ある出来事が
破産決定の前か後かとても大事なものについては,
日付でなく時間も表示されます。

 

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