Archive for 9月 13th, 2011

弁護士にヤミ金DM?

火曜日, 9月 13th, 2011
当事務所では,裁判所から選任される破産管財人業務もしています。
破産管財人になると,破産者宛の郵便物が転送されてきます。
財産隠しや債権者の漏れがないか等をチェックするためです。

その転送郵便物の中に,ヤミ金からのDMが混じります。
破産すると官報に住所と名前が出ますので,ヤミ金が破産者に
勧誘のDMを送るのです。

破産管財人がつかない簡単な破産手続きで終わる場合は,ヤミ金からのDM
は破産者本人のもとに行きますので,当事務所で破産申し立ての依頼を受けた場合は
そのようなDMが行くので,注意するよう話します。

さて,昨日,見慣れたヤミ金DMと思われるDMが破産者宛ではなく当事務所宛に来ました。
そして,今日も,別の業者からもう1通。
今まで, ある程度の大手貸金業者からのDMは見たことがありましたが,
聞いたことのない貸金業者からのDMは初めてだと思います。

いやーびっくりです。
弁護士宛に,このようなDMが来るということは,
このようなDMを見て,借りる弁護士が相当程度いる可能性があります。

弁護士激増と,法律事務の需要の急減によって,法律事務所の経営が
苦しくなっているという話はよく耳にしますが,
まさか,このような業者に手を出すほどになっているとしたら大変な事態です。

弁護士を増やして競争させるという今の司法改革の方向については
色々議論があるところですが,
弁護士業というのは社会のインフラという側面があります。
弁護士業界全体が,社会の信頼を失ったときに,結局一番困るのは
法的な紛争解決手段を利用できなくなる国民です。

これは銀行業界を競争させつつも,銀行業界全体が
信用を失うと大変なことになるので,社会的なインフラとして
その信用維持に制度的に配慮しているのと同じことです。

ヤミ金に首ねっこ捕まれている弁護士が,自治体や法テラスや
弁護士会の相談で,法律相談しているという状況が現れつつあるの
かも知れません。

銀行の場合は破綻した場合に,利用者に大きな被害が出ないような
仕組みがありますが,弁護士についてもただ競争させるだけでなく
競争による経済的破綻に対して,依頼者が被害を受けない制度が
必要なのではないかと思います。

上記のDMが弁護士業界をターゲットにしたものではなく,登記されている法人すべてに
一斉に送られたものであると信じたいものです。

なお,当事務所は銀行融資も受けておらず無借金経営ですので
安心してご利用ください。