少子化と3つの常識

2010年の合計特殊出生率が1.39と少し上昇したが,依然として厳しい少子化が続いているとのことです。
少子化でもよいかどうかは別として,少子化は次の3つの常識に支えられている気がします。
①一夫多妻制は怪しからん
②結婚は自由恋愛が望ましい
③10代で結婚するのは怪しからん

いずれも,現代日本の基本的な社会常識に思われ,この一つでも否定すると,常識的・道徳的感覚がデリケートな人は,叫びたくなるかもしれませんが,この3つの常識の結果が少子化につながっている気がします。

このうち一夫多妻制は,日本の歴史過程で,一部の支配者を除いて,ほとんどないと思いますが,②と③は比較的最近までは,常識ではなかったものだと思います。

特に,事務所の内外で,女性のキャリア断絶の問題,つまり
大学でて仕事を覚えて,いよいよ社会的に戦力になってから,出産とのジレンマが待ちかまえる。
さらに,出産すると,人生観が大き変わる
という状況に何度も接していると
③の常識は多少修正してもよいのではないかと思わないでもないです。

女性が高等教育を受けるにあたって,必ずしも男と同じルートをたどる必要はなく
10代で出産して,その後,ある程度子育てをしてから,高等教育を受けるというキャリアプラン
もありうるのではないかと思います。
これは「勝手にやれ」というのではなく,それを支援するような社会の仕組み(学費免除や,高校や大学に託児施設を作る等)を作るのもよいのではないかということです。

私は,夫婦とも30代で子育てし始めましたが,体力がいるので,10代か20代前半だと大分違う気がします。
また,10代後半で子供ができれば,40歳では孫ができますので,大分社会が若返りそうな気がします。

弁護士の仕事は「常識をかたる」仕事ですので,非常識な話をするのもどうかとも思いますが,
常識的である限りは少子化は続きますので,今日はいわゆる極論を書いてみました。

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