Archive for 11月, 2010

~力(○○リョク)

木曜日, 11月 4th, 2010
新聞の下の方にあるの書籍の広告欄をみると

”~力”について書かれたものがとても多いことに気づきます。


amazonで”力”で検索してみると

微差力、断る力、悩む力、敗者復活力

伝える力、奇跡力

等々、実に様々な”力”が出てきます。


人生において、なにかとうまくいっている人を見ると

何か自分とは違う力を持っているのではないか?

その力とは何だろう?

という気持ちを利用した商法なんでしょう。


昔から「怪力乱神を語らず」と言います。

わざわざそんな言葉があるからには

昔から怪しい力を語る人は多くいたのでしょう。


もちろん、学力や視力のように

”怪力”ではない”力”もあります。

世の中の怪しい屁理屈を見破る私なりの方法の一つとして

何でも説明できる理論は相手にしない

というものがあります。


たとえば、「強い者は勝つ」という理屈は

何が起ころうが、勝った側を強かったという限り

何でも説明できてしまいます。

それはすごいことではなく、何も言っていないことと同じです。

強い者は勝つ」という理屈が意味を持つためには

勝負の前に強いか弱いかを測定する方法が必要です。

もし事前に強いと測定された者が負けたら

強い者は勝つ」という理屈が間違っていたことになりますが

少なくとも無意味な理屈ではなかったことになります。


これを科学哲学の用語で”反証可能性”と言ったりします。

つまり「○○力を持つ人は皆成功している」式の話は

それが「強い者は勝つ」のように

何でも説明できる理屈ではないかを常に意識する必要があります。

民法900条 法定相続分②(親と配偶者)

火曜日, 11月 2nd, 2010
相続に関する法律は『民法』に記載されています。

民法900条

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

1 子及び配偶者が相続人であるときは

子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

2 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは
配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
(3 以降は省略します)

子供のいる家族であれば

配偶者の相続分が2分の1で、子供の相続分も2分の1

一方子供のいない夫婦の相続の割合は

配偶者が3分の2で、親が3分の1

親の相続分が子供のいる場合よりも少なくなっています。

核家族のイメージからすると、当然とも思えます。


”子供のいない夫婦”といえば

結婚したての若夫婦が思い浮かぶかと思います。


そういった場合、もし夫に財産があるとしたら

親や祖父母から受け継いだものである可能性が高いといえます。

この若夫婦が離婚したとなると

親かから受け継いだ財産は財産分与の対象とならず

妻は権利主張できません。


ところが、夫が死亡した場合は、

親や祖父母から受け継いだ財産も含めて、

全財産の3分の2を妻が相続する権利があります。

妻が今後子供を育てて行かなければならないのであれば

それもよしですが、この場合子供はいません。


夫亡きあと、夫の実家とは段々と縁が切れていく可能性が高い中で

”全財産の3分2を相続する”というのは多少違和感があります。


親や祖父母から受け継いだ財産を新婚の妻に渡すまいと、

新婚早々、夫が

「全財産を親にやる」

というような遺言は書きにくいでしょうから

遺言による対処も心情的には難しいですね。


”子供のいない夫婦”のもう一つのケースは

子供がいない熟年夫婦で、親がまだ元気な場合です。


こういったケースは先ほどとは逆で

3分の1とはいえ、親が権利主張できるのも変な気がします。

夫婦の財産の大半は、夫婦で作り上げたものでしょうから・・・。


ただ、このような場合は

たとえば夫が亡くなり、さらに妻も亡くなると

夫婦の全財産は、妻の親か兄弟が相続することになります。


夫の実家には相続の権利はありません。

その点を考えると

夫が亡くなった時点で

夫の実家に財産の3分の1が行くというのも

妥当なのかも知れません。


相続問題については、当事務所のホームページの

こちらをご参照下さい。