毒キノコ騒動と法律問題
月曜日, 10月 25th, 2010
最近、直売所等で
毒キノコが間違って販売されたということが話題になっています。
「毒キノコ1パック回収 「前代未聞」 残りの回収急ぐ」
「毒キノコ:クサウラベニタケで5人食中毒 東近江でも被害」
この問題を法律的な観点ときのこ好きの観点からみてみたいと思います。
まずは、法律的観点から。
食べられるキノコとして”クリタケ”、
”クリタケ”とよく似た毒キノコとして”ニガクリタケ”
を例に挙げ、
とある直売所が
”ニガクリタケ”を誤って”クリタケ”として販売した、
という設定でお話したいと思います。
これは、クリタケの売買契約の問題です。
買い主側としては
「クリタケと思って購入したのに、実際はニガクリタケだった!」
ということで
”錯誤無効”として売買契約は無効だったと主張できます。
これによって、直売所に対して
クリタケを購入した際に支払った代金の返還請求ができます。
もし、買い主が、ニガクリタケを食べてしまって
お腹を壊し、治療費等が発生したら
不法行為(故意・過失で違法なことして、
人に損害与えたら弁償する必要があると言うルール)
によって、その治療費を請求できます。
別の弁護士は、またこれとは違った切り口で主張するかもしれません。
直売所と買い主の間では、クリタケの売買契約が成立した。
ところが、実際に引き渡されたのは、ニガクリタケだったので
あらためてクリタケの引き渡しを請求できる。
場合によっては
「一定期間内にクリタケを引き渡せ!」
と催告した上で
売買契約を解除して、代金返還請求ができる。
売買契約の不履行による損害賠償として治療費を請求できる・・・。
業者間のキノコ売買であれば
このような考え方がよいかも知れません。
しかし今回のケースは、あくまで直売所と個人とのやりとりです。
目の前のパック入りキノコを買って
それが思っていたものと違っていたのであれば
初めに紹介した考えの方のほうが自然な気がします。
このように同じ事実でも、色々な観点からの分析が可能です。
また、その分析の仕方によって、請求できるものが変わったりします。
考え方として
何通りの構成がありうるか?
そしてどの考えが依頼者の意向に沿うか?
どの考えが現実の分析として自然か?
という観点での分析が、弁護士にとって重要な作業になります。
さて次に、キノコ好きの観点からすると
「毒キノコか否かはそんなにはっきりしたものでない」
ということです。
キノコの本をみると
・以前は食用とされたが、最近中毒例が報告されたので、毒に分類した
・おいしいキノコだが、外国では毒キノコとされる(または、その逆)
・ある本では毒キノコに分類され、ある本では食用に分類される
・酒と一緒に食べると、中毒する
・沢山食べ過ぎると中毒になる
等、ごく一部の猛毒キノコを除くと、
実は毒キノコと食用キノコの境目は曖昧なのです。
そして、近頃の毒キノコ騒動で話題の
”ニガクリタケ”や”クサウラベニタケ”は
名前のとおり、苦かったり臭かったりします。
ですから、直売所にキノコを持ち込んだ人は
「かじって苦ければそれがニガクリタケで
万が一、このなかにニガクリタケが混じっていたとしても
料理する前にちょっとかじれば分かるだろう」
くらい気持ちだったかも知れません。
私も、直売所に売っているキノコを食べているうちに
どんどんキノコに興味がわきました。
ですので
そこに毒キノコが混じっていたら、怖いなあと思う反面
山のキノコはそういう手段でしかなかなか手に入らないので
この件に懲りずに販売を続けて欲しいなあと思います。
毒キノコが間違って販売されたということが話題になっています。
「毒キノコ1パック回収 「前代未聞」 残りの回収急ぐ」
「毒キノコ:クサウラベニタケで5人食中毒 東近江でも被害」
この問題を法律的な観点ときのこ好きの観点からみてみたいと思います。
まずは、法律的観点から。
食べられるキノコとして”クリタケ”、
”クリタケ”とよく似た毒キノコとして”ニガクリタケ”
を例に挙げ、
とある直売所が
”ニガクリタケ”を誤って”クリタケ”として販売した、
という設定でお話したいと思います。
これは、クリタケの売買契約の問題です。
買い主側としては
「クリタケと思って購入したのに、実際はニガクリタケだった!」
ということで
”錯誤無効”として売買契約は無効だったと主張できます。
これによって、直売所に対して
クリタケを購入した際に支払った代金の返還請求ができます。
もし、買い主が、ニガクリタケを食べてしまって
お腹を壊し、治療費等が発生したら
不法行為(故意・過失で違法なことして、
人に損害与えたら弁償する必要があると言うルール)
によって、その治療費を請求できます。
別の弁護士は、またこれとは違った切り口で主張するかもしれません。
直売所と買い主の間では、クリタケの売買契約が成立した。
ところが、実際に引き渡されたのは、ニガクリタケだったので
あらためてクリタケの引き渡しを請求できる。
場合によっては
「一定期間内にクリタケを引き渡せ!」
と催告した上で
売買契約を解除して、代金返還請求ができる。
売買契約の不履行による損害賠償として治療費を請求できる・・・。
業者間のキノコ売買であれば
このような考え方がよいかも知れません。
しかし今回のケースは、あくまで直売所と個人とのやりとりです。
目の前のパック入りキノコを買って
それが思っていたものと違っていたのであれば
初めに紹介した考えの方のほうが自然な気がします。
このように同じ事実でも、色々な観点からの分析が可能です。
また、その分析の仕方によって、請求できるものが変わったりします。
考え方として
何通りの構成がありうるか?
そしてどの考えが依頼者の意向に沿うか?
どの考えが現実の分析として自然か?
という観点での分析が、弁護士にとって重要な作業になります。
さて次に、キノコ好きの観点からすると
「毒キノコか否かはそんなにはっきりしたものでない」
ということです。
キノコの本をみると
・以前は食用とされたが、最近中毒例が報告されたので、毒に分類した
・おいしいキノコだが、外国では毒キノコとされる(または、その逆)
・ある本では毒キノコに分類され、ある本では食用に分類される
・酒と一緒に食べると、中毒する
・沢山食べ過ぎると中毒になる
等、ごく一部の猛毒キノコを除くと、
実は毒キノコと食用キノコの境目は曖昧なのです。
そして、近頃の毒キノコ騒動で話題の
”ニガクリタケ”や”クサウラベニタケ”は
名前のとおり、苦かったり臭かったりします。
ですから、直売所にキノコを持ち込んだ人は
「かじって苦ければそれがニガクリタケで
万が一、このなかにニガクリタケが混じっていたとしても
料理する前にちょっとかじれば分かるだろう」
くらい気持ちだったかも知れません。
私も、直売所に売っているキノコを食べているうちに
どんどんキノコに興味がわきました。
ですので
そこに毒キノコが混じっていたら、怖いなあと思う反面
山のキノコはそういう手段でしかなかなか手に入らないので
この件に懲りずに販売を続けて欲しいなあと思います。